中井孝治氏　攻めの姿勢に拍手、難度抑えず自分貫いた日本勢

北京冬季五輪第12日・スノーボード女子ビッグエア （ 2022年2月15日    首鋼ビッグエア競技場 ）

銅メダルを獲得しガッツポーズをする村瀬心椛（撮影・小海途　良幹）
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　【スノーボード斬る・中井孝治】90点を超えた村瀬の2本目は距離、高さ、そして何より着地が高く評価された。女子ではフロントサイドのダブルコーク（斜め軸2回転）に挑む選手が多かったが、ビッグエアでは着地が難しいフラットスピン（横回転のみ）で3回転しながら、ピタッと止めて手も付かなかった。

　台に対して真っすぐ飛べることも彼女の特長で、高得点につながっている。年齢を考えれば心技体はもっと進化できる。今後の女子スノボ界を引っ張ってほしい。

　惜しくもメダルを逃した岩渕だが、3本目に縦3回転に挑んだことに驚いた。一瞬立ちながらも転倒したが、雪上では練習を含めて初めて挑んだという。慣れていたら立てていたはずで、逆転で表彰台に立った可能性が高い。

　男子の大塚も3本目は難度を抑えていればメダルに届いたはずだが、あくまで自分のやりたい技に挑戦した。2人とも、本当にかっこよかった。五輪を目指す子供たちに、かけがえのない物を残してくれたと感じる。

　今大会でスノボは計3個のメダルを獲得した。私が日本代表だった時代と比べ、今は同時期に選手として活躍した村上大輔氏らがコーチとなり、きめ細やかな指導ができる体制となっている。トレーナーや映像分析の担当者らスタッフ陣も充実しており、選手の環境改善が結果に結びついた。選手と共に4年間尽力したコーチ、スタッフにも拍手を送りたい。（スノーボード・ハーフパイプ五輪2大会連続代表、プロスノーボーダー）