渡部暁斗が銅メダル!首位と0.6秒差で3大会連続表彰台!日本選手団としても史上最多14個目メダル

[ 2022年2月16日 05:30 ]

北京冬季五輪第12日・ノルディック複合男子個人ラージヒル ( 2022年2月15日    国家ジャンプセンターほか )

銅メダルを獲得した渡部暁(AP)
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 個人ラージヒルが行われ、渡部暁斗(33=北野建設)が銅メダルを獲得した。14年ソチ、18年平昌の銀に続く3大会連続のメダルで、冬季五輪の日本勢としてはスノーボード・ハーフパイプ男子の平野歩夢に続く、史上2人目の快挙。前半飛躍(ヒルサイズ=HS140メートル)で5位につけ、後半距離(10キロ)では首位に立ったがゴール前でかわされ、金メダルとはわずか0・6秒差だった。今大会の日本の獲得メダルはこれで14個となり、18年平昌大会の13個を上回り史上最多となった。

 最後の最後についえた。渡部暁は先頭で競技場に入ってきたが、最終カーブでグローバクらに抜かれると、直線は激しいデッドヒートとなったが、抜き返す力は残っていなかった。それでも3大会連続表彰台となる銅メダル。金メダルまで0・6秒と、過去最も頂点に近づき「最後の最後まで金メダルを諦めずに走れた。五輪という注目される中で、面白いレースを見ていただけた」と振り返った。

 前半飛躍では135メートルを飛んで5位。今季悩んでいたジャンプで「ここに来て一番いいジャンプが出せた」と驚きを隠さなかった。後半距離では首位でスタートのリーベルと54秒差を一気に詰め、3・5キロ付近でトップに躍り出た。その後は先頭集団を引っ張り続け、8・5キロ付近でペースを上げて勝負を懸けたが、最後は力尽きた。

 今季W杯の最高位は5位。表彰台すら立てなかった。苦しいシーズンとなったが、「執念ですね。金メダルを獲るとプレッシャーをかけ、メダルが獲れただけでも上出来」と大一番でベテランの底力を見せた。

 20年11月に第1子の長男・雄然くんが誕生し、大きな変化があった。「全然違う世界になった。彼の成長を見守りたい」。これまでストイックに競技と向き合い続けてきたが、「家族との時間をとりたい。100%自分のために時間を使って、金メダルを獲りにいくのは最後」と5度目の五輪を集大成と位置づけていた。

 2大会連続で個人銀メダルを獲得し、「金メダルを獲りたいという気持ちはどの大会よりも一番強い」と挑んだ。五輪を山に例え、「何度かその山にチャレンジし、山頂手前までしか登れていなかった。山頂にたどりつけなかったが、いろんな角度から山を見られて良い時間を過ごせた」。山頂は、すぐそこだった。

 ≪五輪史上3人目≫渡部暁はノルディック複合で五輪史上3人目の、個人種目3大会連続メダリストとなった。過去には1924年シャモニーからのヨハン・グロットムスブラーテン(ノルウェー)と、72年札幌から3連覇したウルリヒ・ウェーリング(旧東ドイツ)しかいない。

 ≪平昌の13個超える≫日本の獲得メダルは14個となり、18年平昌の13個を上回り、冬季五輪最多となった。今大会は残り5日。17日にはスピードスケート女子1000メートルの高木美、19日にはスピードスケート女子マススタートの高木菜、現在1次リーグ3位の女子カーリングなど、期待がかかる競技が続いている。

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2022年2月16日のニュース