坂本 涙の自己新!3位発進「ロシアの3人と滑るのが初めてで、怖くて…。ホッとした」

[ 2022年2月16日 05:30 ]

北京冬季五輪第12日・フィギュアスケート女子SP ( 2022年2月15日    首都体育館 )

演技をする坂本(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 女子の競技が15日に始まり、ショートプログラム(SP)で平昌五輪6位の坂本花織(21=シスメックス)が自己ベストを更新する79・84点をマークして3位発進した。初出場の樋口新葉(21=明大)はトリプルアクセルを決めて73・51点で5位。暫定的に出場が認められたカミラ・ワリエワ(15=ROC)が82・16点で首位発進した。17日にフリーが行われる。

 万感の思いがこみ上げた。最終滑走を終えて涙した坂本が、スコアを見た瞬間、再び泣いた。全てのジャンプを含む完璧な演技で自己ベストを大幅に更新。「ロシア(ROC)の3人と(同組で)滑るのが初めてで、怖くて…。終わって中野先生の顔を見たら、ホッとした」。緊張をはねのけ、メダル圏内につけた。

 「燃え尽きた…」。笑顔を振りまく裏側で、2年前はどん底にいた。無欲のまま初出場したのが平昌五輪。その後、18年末の全日本選手権で初優勝を飾りながら、翌年はシニア転向後ワーストの6位に沈んだ。試合で結果が出ず、練習でもミスが続いた。気持ちがついてこなかった。

 「成長が感じられなかった1年。スケート人生が終わっちゃった」

 その状況下で世界はコロナ禍に見舞われる。坂本自身も約1カ月半、氷に上がることはできなかった。そこで突然、スイッチが入った。「みんなが滑れていない。だから“ここで頑張れば逆転できる。この1カ月半、頑張らなあかん”と。そこで気持ちが変わった」

 スケートができる喜びも思い出した。自分と向き合い、再び上昇曲線を描いて北京にたどり着いた。17日に迎えるフリー。「この4年間、頑張ってきた成果を見せたい」。集大成を最高の舞台で披露する。

続きを表示

この記事のフォト

2022年2月16日のニュース