花園史上初の留学生選手 指導者として挑む花園は日本+NZ流で“部活”から脱却

[ 2021年12月25日 05:30 ]

高校ラグビー開幕特別企画 仙台育英・ニールソン武蓮傳監督

トップリーグでのプレー経験を指導に生かす仙台育英のニールソン武蓮傳監督
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 今年5月に18シーズンの歴史に終止符を打ったトップリーグ(TL)だが、出身者が監督に就任する例が増えている。その1人が今春から母校・仙台育英を率いるニールソン武蓮傳(ぶれんでん)監督(43)。偶然にも27日の1回戦で、同じくTLのパナソニックで活躍した霜村誠一監督率いる桐生第一と対戦する。

 現役時代はFW第3列やバックスでプレー。「決して大きくない(1メートル80)。だから技術で戦った」と磨いた高いスキルを教えられるのは出身者ならではだ。ただ「トップレベルの人がそのまま教えて“何でできないの?”となるのが一番いけない」と配慮。高校生向けに絶妙なさじ加減で技術の向上を促す。

 TL経験はマインドセットの変革にも役立った。6季在籍したコカ・コーラウエスト時代の07年、サントリーに1点差で勝利の下克上。「仙台育英の立ち位置と似ている」という中堅チームがどのようにして強豪を撃破したのか、経験談を伝えて意識向上を促した。15年のコーチ就任当初から「3年間はほぼ強制的な朝練だった」というが、今では自主的に朝練や全体練習後の個人練習に取り組む文化が根付いた。

 母国ニュージーランドでのラグビー原体験もあり、年間の練習日程にもメリハリを付けた。例えば大会後の1週間は「思い切って楽しむ」。土日にバチバチのコンタクト練習を行うのも、週末に公式戦が行われるルーティンに合わせるため。「楽しくないと、きついことにも取り組めない」と、日本の“部活”からの脱却を図った。

 学年の壁や部員と監督自身の壁も取っ払い、「何でも話してくれる」と喜ぶ。花園史上初の留学生選手だったニールソン監督。指揮官としてもパイオニアとして、新たなスタイルをつくり上げていく。

 ◇ニールソン武蓮傳(ニールソン・ブレンデン)1978年(昭53)4月5日生まれ、ニュージーランド出身の43歳。仙台育英に留学のために来日。流通経大を経てNECなどでプレーした。ポジションは主にCTB。06年に日本国籍を取得。15年に仙台育英のコーチになり、今年から監督。

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