24歳新星・松井 男子500でW杯初勝利!し烈五輪代表争いに「自分もやれる」

[ 2021年12月5日 05:30 ]

スピードスケート W杯第3戦第1日 ( 2021年12月3日    米ソルトレークシティー )

スピードW杯第3戦第1日 男子500メートルのレースを終えた松井。34秒04で優勝した(AP)
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 標高約1400メートルの高速リンクで開幕し、男子500メートルは松井大和(24=シリウス)が34秒04で優勝し、W杯初勝利を挙げた。森重航(21=専大)が0秒05差の2位。日本記録保持者の新浜立也(25=高崎健康福祉大職)は6位だった。女子500メートルは小平奈緒(35=相沢病院)が37秒07の6位で、今季W杯のこの種目で初めて表彰台を逃した。エリン・ジャクソン(米国)が36秒80で優勝。男子5000メートルは一戸誠太郎(25=ANA)が6分15秒04の9位だった。

 自己ベストを0秒20更新する滑りで、松井が頂点に立った。10組中6組のアウトスタート。最初の100メートルを全体5位の9秒59で飛び出すと、コーナーでも低い姿勢を保って加速した。過去の自己最高順位は19~20年シーズンに記録した3位で、今季は8位がベスト。高速リンクで結果を出し「めちゃくちゃうれしい」と笑った。

 19~20年シーズンにW杯デビュー。世界を経験して飛躍のきっかけをつかんだが、昨季はコロナ禍で海外遠征できず、モチベーションが低下した。大会や練習を除いて極力、外出を控える中、趣味のギターで気持ちを紛らわした。フォームをチェックし直すなど自身と向き合う時間を増やすことで、五輪への思いをつなぎ留めた。

 今季W杯の男子500メートルでは日本勢で新浜、森重に続く表彰台。国内最高記録を持つ村上もおり、代表争いはし烈だが「自分がどれだけ食い込めるか未知だったけれど、全然、自分もやれるんだなと気づけた。そこに気づけたことが収穫」と手応えを口にした。

 ◇松井 大和(まつい・やまと)1997年(平9)11月24日生まれ、北海道鹿追町出身の24歳。3学年上の姉の影響で6歳でスケートを始める。鹿追高から日大に進学。19~20年シーズンに初めてナショナルチーム入り。19年12月に全日本選手権スプリント部門を初制覇。20年3月のW杯ヘーレンフェイン大会の500メートルで3位。岩手県の住宅メーカー、シリウスに所属。趣味はギター、絵を描くこと。1メートル76、74キロ。

 《小平出遅れ6位》女子500メートルは今季W杯この種目5レース目で小平が初めて表彰台を逃した。今季4勝目を挙げたジャクソンとは0秒27差。最初の100メートルで全体5番手の10秒50と出遅れたことが響いた。W杯第2戦から2週間空いたことで、事前の練習量を増やして今大会に臨み「筋肉の張りを促すトレーニングをしてきたが、滑りにはまらなかった。パワーを氷に伝える躍動感がなかった。いい失敗例。しっかり修正したい」と前を向いた。

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