上地結衣、銀メダル 悲願の金ならずも世界ランク1位に驚異の粘り 車いすテニス女子日本勢初の快挙

[ 2021年9月3日 23:33 ]

東京パラリンピック第11日 車いすテニス女子シングルス決勝   ●上地 3―6、6―7 デフロート○ ( 2021年9月3日    有明テニスの森公園 )

<パラリンピック車いすテニス 女子シングルス決勝>決勝で敗れるも、やりきった表情で抱き合う上地(撮影・坂田 高浩)
Photo By スポニチ

 第2シードの上地結衣(27=三井住友銀行)は、第1シードのデフロート(オランダ)に3―6、6―7のストレートで敗れ、悲願の金メダルとはならなかった。それでも後がなくなった第2セットの4―5から驚異の粘りでタイブレークに持ち込むなど、最後まであきらめないプレーを見せた。

 世界ランク1位の女王に屈した。相手は今季の4大大会3戦全勝で、上地はこのうち2大会の決勝で黒星を喫した。日本のエースでも、通算15勝22敗で「かなり手ごわい。パワーもあるし、頭も良い」と苦戦。今大会に向けては「的を絞らせないことがキー」と対策を練っていたが、及ばなかった。

 先天性の潜在性二分脊椎症で、11歳時に競技を始めた。4大大会シングルスは14年の初優勝から8度制覇を果たすなど、国枝に憧れる新鋭から第一人者に成長。パラは今回で3大会連続出場で、「若く強い女性」の象徴として16年リオは開閉会式で旗手も務め、今大会の開会式でも聖火台へ点火をする大役を担った。

 東京大会に向けては、5年前の悔しさを胸に挑んでいた。銅メダルに終わった16年リオのことは「5年経った今でも、悔しかった気持ちは鮮明に覚えている」。刻んだ思いを、この舞台にぶつけた。

 頂点にはあと一歩届かなかったが、前回の銅メダルより前進したのも確か。初出場だった12年ロンドン大会では「考えることができなかった」という決勝の舞台で、出せる力を表現した。

 ◇上地 結衣(かみじ・ゆい)1994年(平6)4月24日生まれ、兵庫県明石市出身の27歳。先天性の潜在性二分脊椎症。11歳で車いす生活となり、ソフトテニスをしていた姉の影響で競技を始めた。14年に初めて世界ランキング1位となり、全仏オープン、全米オープンで優勝。パラは12年ロンドンから3大会連続出場。16年リオデジャネイロではシングルスで銅メダル獲得。1メートル43。

続きを表示

2021年9月3日のニュース