富田宇宙「本当は悔しがらないといけないのかもしれないけど…」ライバル木村の金を心から祝福

[ 2021年9月3日 20:58 ]

東京パラリンピック第11日・競泳 ( 2021年9月3日    東京アクアティクスセンター )

<男子100メートルバタフライ 視覚障がいS11>金メダルを獲得し、銀メダルの富田(右)と抱き合う木村 (撮影・光山 貴大)
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 男子100メートルバタフライ(視覚障がいS11)決勝が3日に行われ、富田宇宙(32=日体大大学院)が1分3秒59で今大会3個目のメダルとなる銀メダルを獲得した。

 レース後、1分2秒57で制した木村敬一(30=東京ガス)と抱き合い、日本勢ワンツーの快挙を喜び合った富田。「タイムも良くなかったし、金メダルを目指して銀メダルなので、本当は悔しがらないといけないのかもしれないけど…木村くんが金メダルを取ってくれたことが本当にうれしいし、それに続いて僕がゴールできたことも本当にうれしい」と出場4大会目にして悲願の金メダルを手にした木村を祝福した。そして「ここに来るまで本当につらくて。彼(木村)が苦労しているところもずっと見てきたし、その隣で一緒に頑張ってきて、彼のライバルとして彼を越えようと努力してきて。最後は自分の力が全て出し切れたとは言えないかもしれない。ただ結果として、望んだ結果が得られたので改めて皆さんに感謝したいです」と感無量の表情で続けた。

 「折り返してから一気にスピードを上げていったんですけど、最後失速してしまって、まだトレーニングが足りなかった」と決勝の反省も語った富田。パラリンピック初出場となった今大会では400メートル自由形で銀、200メートル個人メドレーで銅と2つのメダルを獲得。そして最後の種目でも銀を手にし、出場した個人種目で全て表彰台という快挙を成し遂げた。「ずっとこの瞬間を目指してきたのでこんなにうれしいことはない。400メートルでメダルを獲った時にこの瞬間のために自分は障がいを負ったのかもしれないって思ったけど、そうじゃない、きょうなのかなって思います」と木村とのライバルストーリーを振り返り、銀メダルの余韻に浸っていた。

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2021年9月3日のニュース