神鋼の開幕SHに船の部品扱う社員選手抜てき NEC戦に5年目徳田がリーグ戦初出場

[ 2021年2月19日 05:30 ]

開幕スタメンに抜てきされた神鋼SH徳田健太は練習でテンポよくボールをさばく
Photo By スポニチ

 ラグビー・トップリーグが20日開幕する。神戸製鋼は18日、初戦NEC戦(花園ラグビー場)のメンバーを発表し、5年目のSH徳田健太(27)が先発に抜てきされた。SH日和佐篤主将(33)の故障もあり、連覇への第一歩にリーグ戦未出場の若手をサプライズ起用。「チーム一走れる男」であり、船の部品を扱う部署の「できる男」が、超攻撃ラグビーのかじ取り役を担う。

 リーグ戦未出場の徳田が、神鋼の開幕SHを射止めた。この日の神戸市は最高気温6度。寒空の下での練習後、「やってきたことが評価してもらえた」と喜んだ。ディロン・ヘッドコーチは「テンポの速さがいい」と意図を説明。FWとバックスが一体になった切れ目がない攻撃で、FWが強いNECに主導権を渡さないプランだ。

 豊富な運動量で初先発をつかんだ。この1年は「チームで1番走れる選手になる」と掲げ、肉体改造に着手。筋トレにも励んで体脂肪率を17%から12%に落とした。1200メートル走のタイムを昨年から10秒短縮。本当に、チーム一のスタミナを誇るようになった。

 会社では船の部品を扱う部署に在籍し、顧客の造船所から届く注文を管理する。福本チームディレクター(TD)は「社内の評判はいい」と仕事ぶりを説明。関西学院高―関学大出の頭脳で、社業でも戦力になっている。

 元ニュージーランド代表のSHエリスが昨季で退団。その穴を補強で埋める手はあったが、福本TDは育成を選んだ。徳田もチーム方針を自覚し「自分が出て勝ちたいと思っていた。アピールしたい」と気合十分。故障中の元日本代表・日和佐が万全だったとしても、SH1人ではシーズンを戦い抜けない。早急に「第2の男」を確立することが、連覇への近道になる。

 ◆徳田 健太(とくだ・けんた)1993年(平5)10月7日生まれ、兵庫県出身の27歳。小1で、芦屋ラグビースクールで競技を始める。関西学院高2年の10年度に花園4強。関学大3年時の14年度に関西リーグを制した。20歳以下日本代表。プレースキック巧者。小柄ながらタックルは強烈。1メートル66、71キロ。

続きを表示

2021年2月19日のニュース