【岡崎真の目】羽生“詰まった感じ”もジャンプの質高く 足替えシットスピン無得点は残念

[ 2020年12月26日 05:30 ]

フィギュアスケート 全日本選手権第1日 ( 2020年12月25日    長野市ビッグハット )

男子SP、演技を終え笑顔を見せる羽生結弦(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 羽生は冒頭から笑顔で、リラックスして試合を楽しんでいるように見えた。最初の4回転サルコーと次の4回転―3回転の連続トーループは少し詰まったような感じになったが、ジャンプ自体は質の高いものだった。軸取りもまっすぐで素晴らしく、高さも良かった。少し詰まったのはジャンプが良すぎて回りすぎたためで、トリプルアクセルぐらい流れがあれば更に高いGOE(出来栄え評価)が得られたはずだ。

 その一方で、足替えシットスピン(軸足を替えながら座って回るスピン)が無得点になってしまったのは残念だった。SPでは、座った姿勢で連続した2周が左右の足になければ無得点とされる。最初に右足のスピンから入り、足を替えて左足になった後でバリエーションと呼ばれる難しい形でレベルを取りに行っているのだが、最初のバリエーションも後のバリエーションも「連続した2周」が見受けられなかった。2周に満たないシット姿勢が2度あるという評価になってしまったために足替えシットスピンとしては成立せず、結局無得点になってしまった。

 それでも調子は悪くなさそうなので、SP同様に新しいプログラムとなるフリーでまたどんな一面を見せてくれるのか、楽しみにしたい。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

続きを表示

この記事のフォト

2020年12月26日のニュース