野沢武史氏が注目 “10年に1人の逸材”御所実・安田&“パナ堀江2世”桐蔭学園・佐藤

[ 2020年12月26日 05:30 ]

桐蔭学園・佐藤健次(左)と御所実・安田昂大(ともに前回大会から)
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 第100回全国高校ラグビー大会が27日に花園ラグビー場(大阪府東大阪市)で開幕する。日本協会で、若手の発掘と育成を担当する「リソースコーチ」として活躍する元日本代表の野沢武史さん(41)が注目選手を紹介。御所実(奈良)のSO安田昂平(3年)と桐蔭学園(神奈川)のNo・8佐藤健次(3年)を、世代の中心選手に指名した。

 野沢さんに注目選手をリストアップしてもらった。その中でも、特Aクラスが2人いる。まずバックス。「10年に1人の逸材」と絶賛するのが、1メートル81、83キロの大器、御所実のSO安田だ。

 「FBもCTBもできる。スピードはかなりのもの。今年はボールタッチの回数を増やすためにSOをしているが、キック処理の場面は下がる。カウンターも脅威」

 昨夏、的確なランコースで次々と突破する姿を見て「異次元」と度肝を抜かれた。走力、パス、キックなど全てにおいて「穴がない」とほれ込む。昨年大会、安田はWTBで通算4トライを挙げて準Vに貢献した。50メートル5秒9の快足。あふれんばかりの才能で、チーム悲願の日本一を狙う。

 FWは、昨年優勝の桐蔭学園のNo・8佐藤の名を挙げた。

 「堀江くん(翔太、日本代表、パナソニック)のような柔らかさがある。体のバランスが非常に良く、簡単に倒れない。スピードもある。この世代を代表する選手」

 1メートル77、94キロのサイズながら、パワフルな突破力がある。さらに、日本のFW史上トップ級のテクニックを備える堀江に例えられるほどの器用さもある。昨年、17歳以下日本代表の主将を務め、リーダーシップも優れる。「やろうぜという感じで接して、仲間をやる気にさせるタイプ」と評価は高い。

 野沢さんは、主に10代の発掘と育成を担当する「リソースコーチ」として、全国の高校生をチェックしている。有名校無名校を問わず、身長の大きさ、足の速さを基準に選んだ高校日本代表候補合宿(通称「ビッグマン&ファストマン・キャンプ」)も発足させた。世界に精通しているだ円球のエキスパートが選んだ有望株が、100回大会を盛り上げそうだ。

 ◆野沢 武史(のざわ・たけし) 1979年(昭54)4月24日生まれ、東京都出身。激しいタックルと豊富な運動量を持つフランカーとして活躍。慶応高で花園出場、慶大で全国制覇。02年に神戸製鋼入りし、08年に引退。日本代表キャップ4。引退後は高校、大学ともに母校でコーチを務めた。分かりやすいテレビ解説が人気で、著書もある。家業でもある歴史教科書の老舗「山川出版社」の代表取締役社長。現役時代は1メートル70、100キロ。

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