スポクラ“五輪選考打ち切り” CAS提訴棄却受け入れ男女4人決定

[ 2020年12月13日 05:30 ]

 日本山岳・スポーツクライミング協会は12日、国際連盟による東京五輪出場基準の解釈変更の取り消しなどを求めたスポーツ仲裁裁判所(CAS)への提訴が棄却されたと発表した。CASの判断を受け入れ、男子の原田海(21=日新火災)、女子の野中生萌(23=XFLAG)が五輪代表となった。

 五輪枠は男女各最大2。日本協会は出場資格を得た選手が3人以上になった場合、各国が出場選手を選出できることを国際連盟に確認した上で、選考基準を定めた。19年8月の世界選手権で男女の日本最上位メダリスト、楢崎智亜(24=TEAM au)、野口啓代(31=同)が日本の基準を満たして代表となっていた。

 その後の五輪予選でも新たに出場資格を得られる認識だったが、国際連盟は19年10月に世界選手権で日本勢2番手だった原田、野中が代表という解釈を通知。日本協会は提訴したが、ようやく決着した。日本協会を通じ、原田は「結論が出てくれて、ホッとしています」、野中は「内定することができたこと素直にうれしく思います」とコメントした。

 ◆原田 海(はらだ・かい)1999年(平11)3月10日生まれ、大阪府出身の21歳。大阪・羽衣学園高卒。小学5年で競技を始めた。世界選手権では18年に得意種目のボルダリングで初優勝を果たし、複合では18、19年でともに4位。1メートル68。

 ◆野中 生萌(のなか・みほう)1997年(平9)5月21日生まれ、東京都出身の23歳。東京・日出高(現目黒日大高)卒。得意種目のボルダリングは16年世界選手権で銀メダル。18年W杯で初の年間総合優勝。1メートル62。

 《藤井「残念、結果は現実」、伊藤「感情整理しきれず」》  日本協会の解釈では昨年12月の五輪予選で出場資格を得たとされていた男子の藤井、楢崎の弟・明智、女子の伊藤、森は五輪への道が断たれた。藤井は「残念ですが、結果は現実として受け入れたい」とした上で、24年パリ五輪挑戦も宣言。伊藤は「まだ感情が整理しきれていないというのが本心」というコメントを発表した。代表選考を予定していた今月下旬の複合ジャパンカップ(愛媛)は、五輪切符は争わないことになった。

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2020年12月13日のニュース