阿部が丸山との世紀の死闘を制し五輪代表に 「凄い、長い戦い。やっと…」 柔道東京五輪男子66キロ級

[ 2020年12月13日 17:48 ]

柔道東京五輪男子66キロ級代表決定戦 ( 2020年12月13日    東京・講道館 )

 丸山城志郎(左)を攻める阿部一二三(代表撮影)
Photo By 代表撮影=共同

 日本柔道界史上、初のワンマッチでの五輪代表決定戦が行われ、阿部一二三(23=パーク24)が24分ちょうどの激闘の末、丸山城志郎(27=ミキハウス)に優勢勝ちを収めた。阿部は同日中の全日本柔道連盟の強化委員会を経て、正式に東京五輪代表に内定する。

 試合は序盤から両者一歩も退かない攻防が続き、あっという間に規程の4分間を経過。延長に入って先に丸山が指導2を取られて追い込まれたが、その後積極的に攻めに出て指導2で並んだ。最後は延長ちょうど20分、阿部の仕掛けに丸山も返し技を打ったが、ビデオ判定の結果、阿部の技ありが認められ、まれに見る長い試合に終止符が打たれた。

 試合直後、インタビューに応じた阿部は「本当に凄い、長い戦いで、気持ちと気持ちのぶつかり合いだとずっと思っていて、絶対に退かないぞと思っていた。東京五輪に決まったが、目標のスタートラインにやっと立てた」と語った。これまでの苦労を思い出し、「たくさんの人が応援してくれて、支えてくれて、本当、そういう全て関わってくれた方々に感謝したい」と話すと、はばかることなく涙を流した。

 東京五輪代表争いをめぐっては、当初は17、18年の世界選手権を2連覇した阿部が大きくリード。丸山は18年11月のGS大阪大会決勝で阿部との直接対決を制すと、その後19年世界選手権まで国内外大会を5連勝し、形勢を逆転。後がなくなった阿部が同年11月のGS大阪大会決勝で丸山を破り、再び横一線の争いとなっていた。
 今回の決定戦をもって、東京五輪の柔道代表は男女全14階級が決定。来年7月23日に開幕する東京五輪では、初採用の男女混合団体戦を含む全15種目での金メダル獲得を目指す。

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2020年12月13日のニュース