日大が“赤いカーテン” 宿敵・関学大と13日に激突

[ 2020年12月13日 05:30 ]

<甲子園ボウル 日大練習>日大のDB・柴田(右)をタックルで押すDL・伊東(撮影・坂田 高浩)
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 隠して勝つ! 13日キックオフの甲子園ボウルに出場する日大が12日、決戦の地で練習を公開した。関東1部上位「TOP8」の優勝決定戦、桜美林大戦(11月29日)で右肩を痛めて負傷退場したQB林大希(4年)は取材に応じたものの、出場可否についてはノーコメント。18年5月の「反則タックル騒動」以来の再戦となる関学大に対し、神経戦を仕掛けた。

 大胆不敵なのは、プレーだけではない。密を避けるため、バックネット裏のスタンドに特設された前日会見。QB林大は50人近い報道陣を見回し、小さな笑みをたたえて、こう言い放った。

 「僕が出るかどうか一番気になってると思うんですけど、それは明日を楽しみにしといてください」

 3年ぶりの学生日本一へ、情報戦に抜かりはない。冒頭15分だけ公開された甲子園練習。最終調整に励む中、背番号19の姿はなかった。「(非公開部分では)みんなと一緒に練習していました」。新大阪駅へ到着した時も、全身が隠れる真っ赤なポンチョを着用。直近の桜美林大戦で途中退場した負傷の回復具合は全く見えない。

 宿命のライバルに張った「赤のカーテン」。もちろん、エースが健在でなければ、勝利など望めない。3年前の甲子園ボウルでは、39ヤードTDパスなど圧巻のパフォーマンスを見せ、史上初めて1年生でミルズ杯(年間最優秀選手)を獲得。「タックル騒動」による活動停止、下部リーグ降格の苦難を経て、人間的な厚みも増した。

 「3年前は怖いもの知らずだった。人間力では負けません」

 RB川上、WR林裕らタレントを抱えるオフェンスは、関学大と互角。ディフェンスが踏ん張り、林大が本来の調子なら、「KG有利」の前評判を覆す力はある。

 「明日は日大が関学に勝って終わる筋書きだと思っています」

 会見の席を立つ時、司令塔は力強く宣言した。どんな複雑なプレーより、この強心臓が相手にとって脅威となる。

 《関学大RB三宅は気合十分》「運命の再会」に、関学大RB三宅も胸を躍らせる。4年前のクリスマスボウル(高校選手権決勝)。関学高が佼成学園に完敗した一戦で、何度も独走した相手ランナーの姿が今も強く印象に残る。
 「川上君に走られて負けてしまった。今回は自分の方が走りたいと思っている」
 ピッチで直接対峙(たいじ)しなくても、対抗意識は強い。歳月が流れ、青と赤のエースランナーとして激突する両雄。ランプレーが大一番の行方を決めるのは間違いない。
 「ボールを託されたら、全部TDにつなげるつもりで走る」。高校日本一を逃した悔しさは、大学日本一を決める舞台で晴らす。

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2020年12月13日のニュース