国学院大・浦野雄平、2年連続5区新で“真・山の神”へ駆け上がる!

[ 2019年12月28日 05:30 ]

箱根のキーマン(2)

タスキを持ち笑顔の浦野(撮影・篠原 岳夫)
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 出雲駅伝で初優勝を飾り今季の台風の目となっている国学院大。チームを引っ張るエース浦野雄平(4年)は中途半端が嫌いな男だ。前回大会は5区で区間新記録をマークし、山の神と評する声も上がったが本人は納得はしていない。「今井正人さん(現トヨタ自動車九州)が持っている記録(現在よりも長い距離で1時間9分12秒)から見たらまだまだだと。チャンスがまたあるなら、その記録をターゲットにすると決めている」。最終学年の今年こそ山の神を突き抜ける覚悟だ。

 前回は山への準備をしなかったにもかかわらず区間新で駆け上がった。今季は本気で山に照準を絞り、歴代の神たちの動画を見て徹底的に分析。体の背面を強化することが山上りには必要だと考え、徹底的に鍛えてきた。「前回は山を甘く見ていた。今回は上りの選手として見てほしいです」と言葉から自信がほとばしる。

 中学までは野球部に所属し、主に二塁手でプレーしていた。駅伝大会で区間賞を獲得するなど走力には定評があったが、右肩の故障などで満足なプレーができなかった。「野球を半端な気持ちでやりたくはなかった。走ることは好きだったので新しい道もありかなと思った」と強豪校の誘いを断り、陸上を選択した。

 NBAウィザーズで活躍する八村塁(21)と小学校時代に対戦経験もある。同郷で同学年の八村について「彼と僕は別世界で比べちゃいけないけど、僕も頑張らなければいけない」と刺激も受ける。

 初優勝した出雲駅伝は3区で順位を1つ上げるエースらしい活躍を見せたが、一番目立ったのはゴールテープを切った土方英和主将(4年)だった。「次は僕がという気持ちですよ」。中途半端が嫌いな男はラストランを5区区間新記録と往路優勝で飾るべく再び天下の険に挑む。

 ◆浦野 雄平(うらの・ゆうへい)1997年(平9)11月1日生まれ、富山県氷見市出身の22歳。氷見南部中―富山商高。95回大会の5区で1時間10分54秒の区間新記録を樹立。今年の関東インカレ2部1万メートルで4位(日本人トップ)に入賞した。1万メートルの自己ベストは28分25秒45。1メートル67、51キロ。

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2019年12月28日のニュース