関商工 W杯V南アの指導で磨きがかかった展開ラグビーで逆転勝利

[ 2019年12月28日 05:30 ]

第99回全国高校ラグビー第1日・1回戦   関商工36―14熊本工 ( 2019年12月27日    東大阪市・花園ラグビー場 )

<関商工・熊本工>  後半2分、トライを決めた松山(左から3人目)を祝福する関商工フィフティーン      (撮影・成瀬 徹)      
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 回して外勝負が、関商工のスタイルだ。熊本工戦は得意の形に持ち込んだ。6トライ中、清水、中村の両WTBが2トライずつ奪った。特に鮮やかだったのは、前半21分。自陣22メートルのスクラムから、No・8小沢―SH隅田―CTB西村―隅田―CTB上野―WTB清水とつながってトライ。12―7と逆転した。

 「歴史のある花園第1グラウンドでトライをできて良かった」
 50メートル6秒4の足が光る清水は声を弾ませた。今年、伝統の展開ラグビーに磨きがかかった。南アフリカ代表の指導を受けたことが、大きく影響していた。

 W杯前、スプリングボクス(南アフリカ代表の愛称)は岐阜県関市で合宿を張った。包丁の町がラグビーで沸いた。地域交流の一環で、74年度に全国4強をした関商工を9月に訪問。世界的WTBのコルビら主力が約1時間の教室を開いた。

 「英語が分からないけど、優しく、動きで分かりやすく説明してくれました」

 清水は、身ぶり手ぶりで、ランニングコースの取り方と、パスを教えてもらった。パスの教えに目新しさはなかった。耳にたこができるほど聞いてきた言葉を口にするのを見て、かえって「代表でも基本を大事にしている。それを教えてもらった」と基本を見つめ直すきっかけになった。

 サインプレーは2種類伝授された。そのうちの一つを「コルビ」と名付けた。この日は「似た形はあったけど」と、“コルビ”を使わなかったものの、世界一のレッスンを受けたことで、展開ラグビーの幅が広がった。

 30日の2回戦は、5度優勝の東海大大阪仰星と当たる。アタックがどこまで通用するか。腕の見せどころだ。

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2019年12月28日のニュース