陵侑、お目覚め今季初V 2本目後「やっちゃったかな」も勝利確定で雄叫び

[ 2019年12月17日 05:30 ]

W杯ジャンプ男子個人第5戦で小林陵は2本とも57・0点を出し優勝
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 昨季、日本人初のW杯総合王者に輝いた小林陵侑(23=土屋ホーム)が合計277・0点で今季初優勝を飾った。1本目に136・5メートルを飛んで首位に立つと、2回目も134メートルで逃げ切り。2連覇を狙う個人総合でトップに浮上した。W杯通算14勝目で、日本歴代2位の船木和喜(44=フィット)の15勝にあと1勝とした。

 最終ジャンパーだった2本目。得点表示を待つ間、小林陵は「やっちゃったかな」と勝利を確信できないでいた。1本目は緩い追い風を受けながらヒルサイズまで3・5メートルに迫ったが、2本目は「飛び出しは高かったけれど、全然進んでいかなくて」。それでも着地をきれいに決め、飛型点はいずれもトップの57・0点。今季5戦目での初勝利が確定すると思い切り雄叫びを上げ、「うれしかった。久しぶりに」と満面の笑みを浮かべた。

 今季は開幕から全て6位以内に入っていたものの、圧倒的な強さを誇った昨季の姿は見られなかった。原因の一つが、踏み切りから空中姿勢へ移る際に体を前方へ早く倒しすぎてしまうこと。「凄く早く前に行き過ぎて、(飛距離の)ロスの原因になっていた」(宮平ヘッドコーチ)。動作の修正に努め、感覚をつかんだのがロシアで行われたW杯第3、4戦(7、8日)の直前。試合は風に恵まれずに6位と3位だったが、この日は突っ込み過ぎずに高い軌道を描くことを意識し、好飛躍を2本そろえた。

 日本代表は一時帰国するが、小林陵は欧州に残りエンゲルベルク(スイス)での第6、7戦(21、22日)に出場してから、昨季史上3人目の完全制覇を達成した年末年始のジャンプ週間で2連覇に挑む。「もちろん、ジャンプ週間のタイトルは勝ち取りたい。自分のパフォーマンスを出せば、それにつながっていく」。W杯個人総合でも首位に浮上。微妙な動きの狂いを1カ月足らずで修正し、強い小林陵が戻ってきた。

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