ラグビー日本代表に38歳トンプソン復帰 不屈の精神評価

[ 2019年6月4日 05:30 ]

PNCに向けた日本代表メンバーに選出されたトンプソン
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 日本ラグビー協会は3日、都内でW杯日本大会(9月20日開幕)の前哨戦となるパシフィックネーションズ杯(PNC、7、8月)に向けた日本代表メンバーを発表し、W杯3大会連続出場中のロック、トンプソン・ルーク(38=近鉄)ら42人が選出された。16年以降、代表招集は1度だけだった38歳が、今季はスーパーラグビーのサンウルブズで猛アピール。帰ってきたベテランが第一関門を突破した。

 会見に出席したジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)はトンプソンについて「あくまで競争の中にいる」としながらも、「ケガ人が出てサンウルブズに招集されたが素晴らしいプレーを見せ、正直驚いた。彼の経験、不屈の精神を評価している」と語った。

 15年W杯で一度は代表引退。ロックにケガ人が続出した17年6月のアイルランド戦に1試合限定で復帰したが、その際も本人は「おじいちゃんだから疲れた。W杯はスタンドから応援する」と本格復帰を否定した。だが今年2月、故障者の穴を埋める形でサンウルブズに追加招集。出場8試合でジョセフHCの評価はうなぎ上りとなった。

 通算キャップは42人の中でSH田中(キヤノン)に次ぐ64で、歴代の外国出身選手の中で最多を誇る。16年には共同主将を務めた立川(クボタ)ら15年大会の主力が選外となる中、ジョセフHCが語る「W杯で成功してきたチームに一貫してあることが、ベテランが入っているということ」という条件にうってつけの存在だ。

 4大会連続でW杯代表に選出されれば元木由記雄、松田努に並ぶ日本最多タイ。38歳は前回大会の大野均(東芝)の37歳を超える最年長記録となる。口癖は「めっちゃしんどい」。それでもピッチでは動き続けるアラフォーの星が、再び輝く。

 ◆トンプソン・ルーク 1981年4月16日生まれ、ニュージーランド・クライストチャーチ出身の38歳。セントビーズ高、リンカーン大を経て04年に初来日。三洋電機(現パナソニック)で2季プレー後、06年から近鉄に所属。07年4月の香港戦で初キャップを獲得し、通算64キャップ。W杯は07年から3大会連続で出場中。10年7月に日本国籍を取得した。1メートル96、110キロ。ポジションはロック。愛称はトモ。

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