錦織、2日がかり8強 日没順延で白星まで19時間1分

[ 2019年6月4日 05:30 ]

テニス 全仏オープン第9日 ( 2019年6月3日    パリ・ローランギャロス )

再開された試合を制し万感の表情を見せる錦織(撮影・小海途 良幹)
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 男子シングルス4回戦で、第7シードの錦織圭(29=日清食品)が世界38位のブノワ・ペール(30=フランス)にフルセットの末に競り勝った。前日に日没順延となり、第4セット0―0から再開。2日がかりの死闘を制し、2年ぶり3度目の8強進出となった。4日には日本男子として1933年の佐藤次郎以来86年ぶりの4強が懸かる準々決勝で、第2シードのラファエル・ナダル(33=スペイン)と対戦する。

 エビ反りで拳を握る力は、残っていなかった。公式記録の試合時間は3時間55分だが、白星までに要したのは実に19時間1分。2日がかりの熱戦を制すと、錦織はテレビカメラのレンズにマジックで「チョレイ!!」と記し「張本君のガッツポーズが好きで、本当はエビ反りをしたかったんですけど、元気がなくてできなかった。でも、ああいう気分だったので」と笑った。

 試合開始は2日午後7時34分。6―2、6―7、6―2とリードした午後9時35分の時点で日没順延となった。3日午前0時半ごろに就寝。約7時間半の睡眠を取り回復に努めたが、一夜明けた午後0時41分に第4セット0―0から試合が再開すると、日付とともに流れも変わった。

 第3セットまで1度もなかったダブルフォールトを第4セット以降で6度。2日でサーブミス15度のペールに合わせるようにリズムを崩した。第4セットは2度のマッチポイントを決められず、最終セットに突入。先にブレークを許して3―5とされ、1ゲームも落とせない窮地から最後は4ゲームを連取した。試合終了は午後2時35分。順延で2日以上を要した試合は4大大会で4戦全勝とし、第5セットにもつれた試合はデビス杯も含めて23勝6敗となった。

 2戦連続のフルセットで消耗する中、4日の準々決勝ではナダルと対戦する。3日連続の試合に「フレッシュになるのは無理。どれだけ戻るか分からないけど、できるだけ戻したい。長いラリーが多くなる相手なので、どうにかリカバリーしたい」と前を向いた。ギリギリの状況で赤土王者に挑む。

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