【坂本正秀の目】錦織、チャンスで「決めなくては」という力み感じた

[ 2019年6月4日 08:00 ]

テニス 全仏オープン第9日 ( 2019年6月3日    パリ・ローランギャロス )

第5セット、得点が決まり雄たけびを上げる錦織圭(撮影・小海途 良幹)
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 錦織としては第4セットで勝ち切りたい試合だったが、前日の反省からより攻撃的に戦ってきたペールの方が内容的には良かった。読みづらいリズムと変則的なテニスの前に、特にチャンスで「決めなくては」という力みが感じられた。

 ただ、ペールは最終セット4―1とリードして勝ちを意識したのか、消極的なプレーに変わった。錦織はそれを見逃さずにサーブ&ボレーで攻めるなど、相手が嫌がるプレーでプレッシャーをかけてミスを誘った。苦しい場面で駆け引きを使えたところに、メンタルの強さが感じられる。

 ツォンガとの2回戦とこの試合が地元選手との対戦。3回戦も激闘と、体力的には不利な状況でナダル戦を迎える。比較的楽に勝ち上がってきた赤土巧者を相手に、長期戦になると苦しい。錦織はサーブの精度を高め、サーブ&ボレーを決める“3球以内”の短いラリーでポイントを重ねたい。これまでの苦戦を生かせるような戦いを期待したい。(WOWOW解説者、日本テニス協会公認S級エリートコーチ)

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2019年6月4日のニュース