小池 意地見せた!男子200金 同学年桐生追いかけ末続以来

[ 2018年8月30日 05:30 ]

ジャカルタ・アジア大会第12日 ( 2018年8月29日 )

体を投げ出してゴールした小池(手前)は執念で金メダルを獲得(撮影・小海途 良幹)
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 陸上の男子200メートル決勝は小池祐貴(23=ANA)が20秒23の自己ベストをマークし、06年ドーハ大会の末続慎吾以来、12年ぶりとなる金メダルに輝いた。

 もう“桐生世代”とは呼ばせない。新社会人1年目の小池がアジアNo・1という大仕事をやってのけた。3大会ぶりの金メダルで希代のスプリンター、末続慎吾に肩を並べた23歳は「口に出していた目標だが、なんていうか実感がないです」とはにかんだ。

 満身創痍(そうい)で勝ち取った金メダルだ。20秒23で同タイムだが、参考に示された差は小池が20秒228で、2位は20秒230。わずか1000分の2秒が勝負を分けた。写真判定にもつれたフィニッシュ後は勢い余って転倒。医務室に直行すると左肩と左肘はアイシングでガチガチに固められていたが「たいしたことない」とアジア王者は豪快だ。

 今季から本格的にコーチを付けたことが飛躍につながった。慶大時代はコーチを置かなかったが、同時に限界も感じ始めていたという。「良い感覚って何だっけというところまで落ちた」。卒業を控えた昨年10月から走り幅跳びの元日本記録保持者、臼井淳一氏に師事を仰いだ。これまでは150メートルを全力で走って、すぐ走るというむちゃな練習で故障を繰り返したが、コーチの存在で故障しないで継続的に練習が積めるようになった。

 同学年で高校時代からしのぎを削った桐生は100メートル9秒98の記録で歴史に名を刻んだが、小池はアジア一という結果を残した。「桐生は4年間で積み重ねて結果を出した。僕は僕で200メートルを専門に積み重ねて結果出してきてるぞと思っている」と自負をのぞかせた。

 ◆小池 祐貴(こいけ・ゆうき)1995年(平7)5月13日生まれ、北海道出身の23歳。立命館慶祥高から慶大に進み、1年時の14年世界ジュニア選手権で200メートル4位入賞。卒業後はANAに入社し、今年6月の日本選手権は200メートルで2位、100メートルは4位に入った。1メートル73、74キロ。

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