女性差別?議論呼んだ全米OPでの生着替え「こんな大ごとになるなんて」

[ 2018年8月30日 09:30 ]

全米オープンテニス女子シングルス1回戦 ( 2018年8月28日 )

アリーゼ・コルネ(AP)
Photo By AP

 なんだか大変なことになっているみたい。アリーゼ・コルネ(フランス)は会場にやってきて驚いた。ロッカールームに入ると多くのツアー仲間、そして引退した選手たちまでが声をかけに来たからだ。彼女たちはコルネが前日の試合で受けた警告に憤り、気遣ってくれていた。

 全米オープン第2日の28日、コルネの女子シングルス1回戦は最終セットまでもつれた。酷暑ルールが適用されたため、最終セットの前に10分間の休憩。時間内に戻らなければとコルネは急いでコートに向かった。

 さあ試合再開。リターン位置につくと、何かがおかしいと気づいた。なんだか首がつまる。暑さでもうろうとしていたせいか、急いでいたせいか、シャツの前後ろを間違えてしまっていた。コート後方に下がったコルネは、さっと脱いで手早く着直した。特に手間取ったわけではない。ところが、このコート上での着替えが違反行為とみなされ、主審から「非スポーツマン行為」と宣告されたのだった。

 確かにスポーツブラは丸出しになっていた。だが男子選手は上半身裸で当たり前のように着替えているではないか。アンディ・マリー(英国)の母、ジュディーさんもツイッターで「男子はコートでシャツを着替えられるのに」と批判するなど大きな波紋が広がっていった。

 全米テニス協会(USTA)は一夜明けた29日に慌てて声明を発表した。「全ての選手はベンチに座っていれば着替えてもよい」と性別の問題ではないことを強調し、その上でコルネへの警告には「遺憾に思う」とこれ以上のペナルティーや罰金は科さないとした。

 思わぬ騒動の主役となったコルネは「USTAの謝罪にホッとしている。こんなに大ごとになってるなんて、今朝起きたときには思ってもみなかった」と驚いていた。シャツを前後ろ反対に着たことが、1日も経たない間に男女差別の問題にまで発展。だがコルネ自身はそんな大問題にするつもりもないようだ。「昨日のことも1人の間違いであって、ツアーやUSTA、全米オープンを巻き込みたくはない。主審だってあまりに暑かったから正常な判断ができなかったんでしょう」と当事者として全てに寛容な姿勢を示した。

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2018年8月30日のニュース