白鵬 史上最多1047勝!「親方」へ日本国籍取得決意

[ 2017年7月21日 05:30 ]

大相撲名古屋場所12日目 ( 2017年7月20日    愛知県体育館 )

玉鷲(右)に張り手する白鵬
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 横綱・白鵬(32=宮城野部屋)が日本国籍を取得する意向を持っていることが20日、分かった。日本国籍を取得すれば、引退後は親方として日本相撲協会に残る資格を得られる。12日目は関脇・玉鷲(32=片男波部屋)を寄り切り、元大関・魁皇(浅香山親方)の持つ史上最多1047勝に並んだ。

 新たな金字塔を打ち立てたモンゴル出身の大横綱が、日本国籍を取得する意向を持っていることが明らかになった。かねて白鵬は「将来は親方になって弟子たちを育てていきたい」と公言。日本相撲協会の寄付行為では年寄名跡の取得・襲名・継承は日本国籍を有する者に限ると定められており日本国籍を取得すれば、「白鵬親方」になる見通しが立つ。

 過去に日本国籍を取得した外国出身力士は8人。モンゴル出身では旭天鵬、時天空、朝赤龍がいる。横綱は5年間、大関は3年間、現役のしこ名で協会に残れるが、その期間に年寄名跡を取得しなければ退職となる。また、優勝20回以上など偉大な功績を残した力士には、協会から一代年寄が贈られたことがあり、その場合は現役のしこ名で定年まで協会に残ることができる。

 一代年寄が認められたのは、大鵬(優勝32回)、北の湖(同24回)、千代の富士(同31回、九重部屋継承のため辞退)、貴乃花(同22回)の横綱4人。白鵬は史上最多38度の優勝、角界が不祥事で揺れた10〜11年に1人横綱として土俵内外を支えるなど協会に貢献してきた。実績は十分で、引退直後に一代年寄が贈られる可能性はある。

 自身が部屋を開いた時に備えて内弟子として、十両・山口、幕内・石浦、今年2月に序二段・炎鵬らを迎えた。11年秋場所に20度目の優勝を果たした際には東京・銀座に部屋を持つ構想を披露。「(稽古場を)ガラス張りにして、いろいろな人に見てもらいたい」と夢を口にした。日本国籍の取得についても「そういう時期が来れば、そうなってくる」と話した。07年には紗代子夫人と結婚。配偶者が日本人であり、国籍取得条件が緩和される可能性もある。

 優勝争い単独トップの1敗で迎えたこの日は関脇・玉鷲と対戦。顔面に左右の張り手を見舞い、チャンスとみるや左を差して寄り切った。通算1047勝目を挙げ歴代1位の魁皇に肩を並べた。支度部屋ではたくさんの花束を受け取り、笑顔があふれた。「不思議だね。並んだ方がうれしいんだね。言葉に言い表せない」と喜びに浸ったが、すぐに「明日は単独(1位)で行きたいです」と気持ちを切り替えた。

 ▽年寄名跡と一代年寄 力士が現役引退後に日本相撲協会に残って運営などに携わるには年寄名跡が必要となる。年寄名跡を取得するには、日本国籍を有していることが大前提。その上で「最高位が小結以上」「幕内在位20場所以上」「関取(幕内、十両)在位30場所以上」のいずれかを満たさなければならない。年寄名跡目録にある105の名跡のほかに、協会に著しい貢献のあった横綱に対し、その個人一代に限って年寄とする「一代年寄」がある。一代年寄は理事会で決議される。

 ◆白鵬 翔(はくほう・しょう)本名はムンフバト・ダヴァジャルガル。1985年3月11日生まれ、モンゴル・ウランバートル出身の32歳。01年春場所初土俵。06年夏場所初優勝。07年夏場所後に第69代横綱に昇進し、同年名古屋場所で新横綱。10年初場所から九州場所にかけて史上2位の63連勝。優勝38回は史上最多。殊勲賞3回、敢闘賞1回、技能賞2回。1メートル92、160キロ。

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