宇野驚きの勝負強さ 練習不調もフリーで初の羽生超え

[ 2016年12月12日 05:56 ]

フィギュアスケート GPファイナル最終日 ( 2016年12月10日    フランス・マルセイユ )

SPから見違えるような動きで高得点をマークした宇野
Photo By スポニチ

 不思議な力を持つ男だ。宇野は時差ボケに苦しみ、開幕前から不調だった。だが、2日前のSPでは高難度の4回転フリップだけは着氷し、4位に踏みとどまった。前日の練習でも4回転ジャンプは失敗の連続だったが、フリーが始まると、人が変わった。

 「初心に戻って、攻めよう、思い切っていこうと思いました」

 4回転フリップに成功すると、4回転トーループも踏ん張って着氷。後半の4回転―2回転の連続トーループを鮮やかに決めるなどジャンプをほぼ完璧に降りた。チェンには及ばなかったが、羽生を8点以上も上回るフリー2位の195・69点をマーク。フリー、SPを通じて初めて羽生の得点を上回った。勝負強さをいかんなく発揮して昨年に続く3位となり「ホッとした試合は多々ありましたけれど、今回が一番ホッとしました」と安どした。

 もちろん根拠の危うい力に頼り続けるつもりはない。「良かったのは試合だけフリップが跳べたこと。試合だけというのはあまり好きじゃない。練習では気が抜けていたところがあった」。今後は自信を持って本番を迎えられるように公式練習の取り組み方を見直す。もともと時差調整が苦手だが、「昨日は昼に頑張って寝て、何とかしました。やっぱりコンディショニングが大事」と苦手な時差調整にも真剣に向き合う意向だ。2度目の表彰台では、メダルとともにいくつもの課題ももらった。

続きを表示

2016年12月12日のニュース