【岡崎真の目】ミスしても崩れなくなった羽生 王者脅かす宇野の成熟

[ 2016年12月12日 07:40 ]

フィギュアスケート GPファイナル最終日 ( 2016年12月10日    フランス・マルセイユ )

今年は間違えるなよ?表彰台での記念撮影、昨年のGPファイナルで羽生の腰に手を回すはずが勘違いして腕組みしてしまった宇野(右)は今年も…
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 大きなミスが続いた場合、以前の羽生なら演技全体の勢いも失うケースがあったが、この日は違った。最後までスピード感や力強さがあり、豊富な練習量に裏打ちされたスタミナと、高いモチベーションをうかがわせた。それは、ミスがありながら5項目の演技点でトップの92点台をマークしたことで証明されていると思う。

 失敗があった3つのジャンプのうち、転倒し連続ジャンプにできなかった2発目の4回転サルコーと、きれいな3連続ジャンプにつなげられなかったトリプルアクセルは、ともに飛距離が出すぎてバランスを崩した感があった。これはあくまで「攻める」という姿勢を感じさせたものだ。SPも完璧ではなかったが、それでも合計得点は293・90。ほんの数年前まで世界中の目標だった合計300点だが、羽生にとってはもはやアベレージと言えるだろう。

 その羽生に“危機感”を覚えさせるだけの存在になりつつあるのが、宇野だ。この日は現在できるものをほぼ出し切れた、素晴らしい演技だったと思う。4回転ジャンプの種類が増え、技術点で羽生に遜色ないレベルに達したのはもちろんだが、驚いたのは演技点の中でも「演技の表現力(パフォーマンス)」で参加選手中最高の9・32を得ていること。これはプログラムがパッケージとして高く評価されていることの裏付けと言える。たられば、は禁物だがSPの失敗がなければ、羽生を逆転していた可能性すらある。この2人が再び激突する全日本選手権は、世界中からも注目されると思う。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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