遼くん 手応えばっちりも惜しい1打差2位

[ 2009年5月18日 06:00 ]

わずか1打差で優勝を逃した石川遼(左)は青木功にねぎらわれる

 男子ゴルフの青木功と、ミュージシャンの日野皓正さんの呼びかけによるチャリティー大会の青木日野フィールズは17日、千葉県麻倉GC(6752ヤード、パー72)で最終ラウンドを行い、ツアー外のプロアマ混成チャリティーマッチで、首位からスタートした石川遼(17=パナソニック)は2位に終わった。5バーディー、2ボギーの69で通算11アンダーとしたが、最終18番で1メートルのバーディーパットを外して1打及ばず。それでも真剣勝負の緊張感を味わい、ツアー再開に向けて手応えの残る試合となった。プロの部は手嶋多一(40=ミズノ)が通算12アンダーで、著名人の部はプロ野球前広島監督の山本浩二氏(62)が通算5アンダーで優勝した。

 決めれば手嶋とのプレーオフに持ち込める。わずかにスライスすると見えた1メートルのバーディーパットは、真っすぐに転がってカップの左縁にはじかれた。石川は思わずうなだれ、しばらくグリーンに立ち尽くし悔しさをにじませたが、その顔を上げた時には笑顔を取り戻していた。
 「2日間でも競技に参加できたのは大きかった。その中で優勝争いもできたし、あの緊張感を味わえたことをうれしく思います」。チャリティーマッチとはいえ、単なるイベント以上の収穫があった。3週間ツアーがない間に尾崎将司に教わったフェードボールを試し、「これまでにないほど一生懸命取り組んでいる」というパッティング練習の成果も発揮できた。
 スクワットを中心に「きつめのトレーニング」で下半身を鍛えてきたことで、体重は1キロ増の70・5キロに。「片足スクワットが10回できるようになったんですよ」と喜んだ肉体的変化も、好プレーを後押しした。同組で回った山本浩二氏からも「努力はウソをつかない」と言われ、あらためて毎日の積み重ねの大切さを感じた。
 スイング改造に取り組んだこともあり、今季は爆発的な活躍を見せられていないが、歯車は少しずつかみ合ってきた。「以前はスイング、タイミング、リズムを求めて打っていた。今は自分がどういう球を打ちたいか、距離感に集中することができている」。調子が上がってきたことで、過程だけでなく結果を意識できる段階に入ってきた。
 今大会は練習場の混雑緩和のために球数が30球に制限されており、近隣の練習場で100球以上打ち込んでからコース入り。次戦の全米オープン日本最終予選(25日、茨城・龍ケ崎CC)も練習場で24球の球数制限があり、いいリハーサルになったに違いない。全米オープン予選を終えると、三菱ダイヤモンドカップ(28日開幕、茨城・大洗GC)からトーナメントが3週間続く。この試合でつかんだ確かな手応え。それは、そのままメジャー切符獲得とツアーでの活躍に向けた期待感でもある。

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2009年5月18日のニュース