“バスケ王国”沖縄 参戦わずか2年で初V

[ 2009年5月18日 06:00 ]

優勝に喜ぶ沖縄の選手たち

 バスケットボール男子のbjリーグ・プレーオフ最終日は17日、東京・有明コロシアムで行われ、ファイナルで沖縄(西地区1位)が89―82で東京(東地区2位)を下し、初優勝を飾った。チーム創設1年目の昨季は西地区最下位だったが、2年目に大躍進。プレーオフMVPにはレギュラーシーズンに続いてジェフ・ニュートン(28)が選出された。3位決定戦では浜松(東地区1位)が大阪(西地区2位)を91―85で下した。

 有明コロシアムに響く三線(さんしん)のリズムに乗り、試合後は選手もブースターもエイサーを踊っていた。沖縄がチーム発足からわずか2年でのタイトル奪取。今季から指揮を執った桶谷監督は「最高です。チーム一丸で戦ってくれた。このチームは相当強い」と目を潤ませた。
 昨季までリーグ3連覇の大阪を西地区決勝で破り、迎えたファイナル。昨季から一度も勝ったことがなかった東京に対し、厳しい守備をベースに序盤から終始リードを保った。準決勝でリーグ最多記録の50得点をマークしたニュートンは11得点だったが、13得点の沢岻(たくし)直をはじめ5選手が2ケタ得点。第4Qの77―72と迫られた場面でも沢岻直がシュートをねじ込んだ。バランスのいい攻撃で、東京に逆転を許さなかった。
 地域に根付くことを重視した1年目の昨季は10勝34敗の最下位も、今季は大阪からニュートンが移籍し、ジョージア工科大出身のマクヘンリーが加入と積極的に補強。だが、桶谷監督は「補強もうまくいったけれど、もともと能力のある選手がいた。あとはまとめるだけでした」と話した。軸ができたことで、能力の高い司令塔・沢岻直やシューターの金城が才能を発揮し、どこからでも得点のできるチームに変身。レギュラーシーズンに続き、プレーオフでもMVPとなったニュートンは「チームメートのおかげ。みんな素晴らしい選手たちだ」と胸を張った。
 プレーオフ4戦目のこの日は、チームの通算100試合目。節目の試合で、チーム名「ゴールデンキングス」通りにbjの王者となった。「これから強い伝統をつくっていきたい」と指揮官。南国のプロバスケットチームが常勝軍団への第一歩を踏み出した。

 <東京 指揮官「目に見えないファウル」>2年続けてファイナルで敗れ、またも悲願の初優勝には届かなかった。追いかける展開が続き、第4Qには3人が5ファウルで退場。7点差まで詰め寄った残り2分42秒には、20得点を稼いでいたベーカーが負傷退場して万事休した。ブライアント監督は「目に見えないファウルがあった。何で東京のファウルが30で、沖縄が18なんだ」と審判を批判。「全員戻って、残された仕事を仕上げたい」とリベンジを誓った。

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2009年5月18日のニュース