【森保Jの26人】堂安律　本田と重なる“有言実行”努力型

【森保Jの26人（8）】

堂安律
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　家長昭博や宇佐美貴史ら多くのタレントを輩出したG大阪アカデミーにおいて、堂安は決してずぬけた実力があるわけではなかった。ジュニアユース時代に指導した鴨川幸司氏（現JFL枚方アカデミーダイレクター）は言う。「律は才能ではなく、努力で能力を伸ばしてきた」タイプ。そして「圭佑とはいろんなところで共通点が多い」と3大会連続W杯出場を果たしたMF本田圭佑と似ていると評する。

　鴨川氏には忘れられないエピソードがある。堂安が中学3年時にチームで行ったスペイン遠征。夜の試合に備えて午前練習をしようとしたが、ボールなどが用意されていなかった。戒めの意味も込めてランニング中心のメニューに切り替えると、堂安が前に出て「試合前に走ったらコンディションが悪くなる。日本に帰ってから走らせてください」と“逆提案”をしてきた。G大阪ジュニアユースに所属していた本田も「素走りしてもサッカーはうまくならない。ボールを使わせてほしい」と要望したことがある。ともに考える力、それを行動に移せる芯の太さがあった。

　堂安本人は他の誰かと比較されることを好まないが、本田と同じ左利き。足が速いわけでもない。そして1日のメンバー発表時に「ベスト8と言わず優勝を目指していいんじゃないかなと思います」と口にするなど、メンタルも同じく強い。W杯南アフリカ大会で大ブレークした本田のように、カタールは“堂安時代”の幕開けになるかもしれない。

　◇堂安　律（どうあん・りつ）1998年（平10）6月16日生まれ、兵庫県尼崎市出身の24歳。西宮SS―G大阪ジュニアユース―G大阪ユースを経て16年に飛び級でトップ昇格。17年7月にフローニンゲン（オランダ）へ期限付き移籍。18年7月から完全移籍となり、19年8月には名門PSVアイントホーフェン（オランダ）へ移籍。22年7月からフライブルク（ドイツ）へ完全移籍した。18年9月にA代表デビュー。国際Aマッチ通算28試合3得点。1メートル72、70キロ。利き足は左。