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麻也「良い経験」チャーター機24時間“缶詰め”も“密”交流 11日W杯アジア最終予選ベトナム戦

[ 2021年11月11日 05:30 ]

ベトナム戦に向け最終調整する吉田(C)JFA
Photo By 提供写真

 日本代表は11日、W杯アジア最終予選B組第5戦でベトナムと敵地ハノイで対戦する。欧州組11人はチャーター機が経由地ロシアで「足止め」となるトラブルで予定より約12時間遅れ、9日深夜に宿舎入り。全28選手がそろっての練習は試合前日の10日しかできなかったが、主将のDF吉田麻也(33=サンプドリア)は「良い経験」とポジティブ思考だ。非常事態を力に変えて、勝ち点3をつかみ取る。

 前代未聞のトラブルも、チームの意思疎通や精神的なタフさを身に付ける絶好のチャンスと捉えた。オランダからベトナムへ向かうチャーター機が、経由地のロシアで約10時間待機。吉田ら11選手は機内に“缶詰め”状態となった。だが「24時間くらい機内にいたけど良い経験になった」。主将は前を向いた。

 外気を吸いたいという要望も査証問題でロシアでの降機はNG。ストレッチができるスペースはあったとはいえ、狭い空間で過ごすしかなかった。そんな中、ベトナム時間に合わせた睡眠で時差調整し、互いに現地の湿度や気温についての情報共有。カードゲームなどでストレス発散するなど、置かれた境遇ででき得る最大限の努力をした。これまで新型コロナ下で限られていたコミュニケーションの時間にも充てられたという。

 各組上位2カ国にカタールW杯出場権が与えられ、現在はB組4位。特に9、10月シリーズの初戦黒星(オマーン戦、サウジアラビア戦)が苦戦の最大要因となっている。9日の練習から全員合流の予定だったものが、試合前日の1日しか調整できない非常事態。それでもベトナム戦で求められるのは勝ち点3のみで、それをスタメン出場が濃厚な吉田は誰よりも理解している。

 「ベトナムに勝ってこそ“このアクシデントが良い経験だった”と言える。笑って話せる。とにもかくにも勝たないと始まらない。自チーム(サンプドリア)でも出場しているので、コンディションは問題ない。精神的な準備が大事になる」

 トラブルを言い訳にはしない。逆境は糧。アジア予選敗退ならば代表引退を公言している主将が、先頭に立って森保ジャパンを奮い立たせる。 

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2021年11月11日のニュース