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膝手術4回「痛み消えなかった」…鳥栖・谷口、16年間のプロ人生にピリオド 今後はサッカー界に恩返しを

[ 2019年12月12日 17:07 ]

シーズン終了報告会で行われた引退セレモニーであいさつする鳥栖MF谷口
Photo By スポニチ

 今季限りでの現役引退を表明したMF谷口博之(34)が、11日に行われたクラブのシーズン終了報告会で引退セレモニーを行い、思いを話した。

 2004年に川崎Fでデビューしてから16年。J1で350試合出場し、06年にはベストイレブンを獲得。08年、北京五輪代表、09年、12年には日本代表に選出されるなど、輝かしい経歴を積み重ねてきた。ただ、17年に膝の大けがを負って以降は、つらいリハビリと患部の激痛との戦いを続けてきた。

 セレモニーではチームメートをはじめ、大勢のサポーターと家族に見守られながらあいさつした。「16年間、大満足のサッカー人生。最後の2年はケガをしてたくさんの人に迷惑をかけ期待を裏切ったことが心残り。100%じゃない自分が、ピッチに立つことはできない。まだまだみんなと一緒にサッカーをしたいが、人生そんなに甘くないなと思います。大好きな仲間に囲まれ、最高のファン、サポーターの前で引退できることを誇りに思う」。自身で「話すのが苦手」と言う口べたながら、精一杯の思いを言葉にした。

 セレモニーを終え「明日からじわじわ引退を感じるのかも」と少し寂しそうにつぶやいたが「サッカーが大好きでこういうケガがなかったらやめられなかった。この2年間で心の準備ができたことが良かったのかな」と納得の表情も見せた。

 今季のはじめはケガから復帰し、リーグ戦1試合、リーグ戦1試合に出場し1得点をあげていたが「膝の痛みとかなり戦って、今シーズン厳しいなと思っていた」。春に最後となる4回目のオペを受け「これで良くならなかったら引退と決めたが、痛みが消えなかった」と引退への経緯を話した。

 印象に残る試合として「15年の松本戦でシュートを決めたこと。負けたら終わりの緊張感の中でゴールを決めてほっとしたところが大きかった」と笑顔をみせた。

 今後については未定ながら「サガン鳥栖と関われる仕事をさせてもらえたら」と希望した。指導者となるためのライセンスの取得を目指しているが「人に伝える力がないので、今のところは指導者や監督としては考えてない」と指導者への転身は否定し「将来的には小学校高学年くらいの子たちに、自分が経験したことを教えられれば。自分が変われたきっかけをくれた大人がたくさんいたので、そうなれたらいいなと思っている」。サッカー界に恩返しをしていくつもりだ。

 心身共に全力で走り続けた16年間のサッカー人生を終えた。「現役の時は100%の休みになるのはイヤで休みたい気持ちもなかったので、実は新婚旅行にも行っていない」と明かすほどのサッカー中心だった生活も変わる。直近の予定は「これから決めていくが、家族を旅行に連れていかないと」と照れ笑い。良いときも悪い時も一番近くで支えてくれた家族への感謝をこめた目的地はハワイが有力だ。

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2019年12月12日のニュース