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走りで圧倒!チリ リベンジ初金星でスペインに引導渡す

[ 2014年6月20日 05:30 ]

バルガス(左)が先制ゴールを決め喜びを爆発させるチリ代表イレブン(AP)

W杯1次リーグB組 チリ2―0スペイン

(6月18日 リオデジャネイロ)
 チーム一丸での金星だ。相手を囲い込んでボールを奪い取る強烈なプレス戦術のチリは、前回王者スペインから11度目の対戦で初勝利を挙げ、50年ブラジル大会での初対戦から64年ぶりに、同じマラカナン競技場で雪辱を果たした。しかも、2連勝で2大会連続の決勝トーナメント進出。サンパオリ監督は「1次リーグを突破できてとてもうれしい。強くて速いプレスと攻撃姿勢が勝因だ。絶対に忘れられない勝利になった」と胸を張った。

 持ち味が出たのが先制点だった。前半20分、敵陣右に入ったところでプレスをかけ、パスミスを誘った。ボールを奪うとFWビダル、サンチェスとチームの中心が躍動。前へ前へと走り込みパスをつなぎ、折り返しを受けたバルガスが相手GKカシージャスをかわして蹴り込んだ。後半はサンチェスとバルガスの2トップがボールを追い回し、小柄な守備陣が懸命にヘディングでクリア。GKブラボは際どいシュートを次々とはじき出した。チームの走行距離は、1人平均9・2キロだったスペインより約1キロ多い10・1キロ。完全に走り勝った。

 チームをけん引したのが27歳の大黒柱ビダルと1メートル69のエース、サンチェス。ともに3位に入った07年U―20W杯の中心選手だ。ユベントスでプレーするビダルは6週間前の右膝手術から驚異の回復を見せ、2戦連続先発でこの日は後半43分までプレー。サンパオリ監督は「痛みが続いているのに、彼の精神力は本当に強い」と感嘆を隠さない。バルセロナ所属のサンチェスも最後まで走り切り、シャビやピケら同僚に“恩返し”した。高さを生かしたオーストラリア、前回王者のスペインを撃破し、チリが今大会の台風の目になりつつある。

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