×

8強届かず…岡田監督「勝たせてやりたかった」

[ 2010年6月30日 06:00 ]

試合後、選手たちに声をかける岡田監督

 【W杯決勝トーナメント1回戦 日本0-0 PK3-5パラグアイ】攻めの采配に徹した。0―0の終盤、岡田監督は次々と攻撃のカードを切った。後半20分、デンマーク戦で初ゴールを決めたFW岡崎を、後半36分には、守備のスペシャリストMF阿部に代え、MF中村憲を今大会初めて投入した。

 「僕にも理想のサッカーはある。でも、まずは勝つことを考える」。美しく華麗なサッカーは必要ない。勝負の鬼と化した。
 初の8強を懸けた試合は延長戦に突入する死闘となった。岡田ジャパンは選手、スタッフの全員で肩を組み、円陣を組んだ。クールな指揮官もハートを熱くした。過去、日本代表が中立地で南米の壁を打ち破ったことは1度もない。そんな難敵に対し、1次リーグから不動の11人を先発に並べ、状況に応じてMF遠藤のポジションを上げるなど策を尽くした。
 W杯開幕直前の4連敗で痛烈な批判を浴びた。だが、この逆風が岡田監督の底力を呼び起こした。最初に日本代表を率いた97年、フランス大会最終予選。極限の重圧を受け、苦難の末、ジョホールバルでのアジア第3代表決定戦でイランに勝利し悲願のW杯初出場を決めた。帰国した岡田監督の目に留まったのは自宅のカレンダーに書かれていた「底まで落ちたら地に足がつく」という言葉だ。それが自らの生き方、信念になった。
 試合は延長120分の死闘を終えても、均衡は破れなかった。最後はPK戦に突入。惜しくも南アフリカの勝利の女神を振り向かせることはできなかった。史上初のW杯8強の夢はついえた。

 ▼岡田監督 選手たちは頑張っていたので勝たせてやりたかった。私の力が足りなかった。まだまだ、そんなに簡単じゃないよと言われている気がする。僕らは一貫して何も変わらなかった。選手がよく付いてきてくれた。

続きを表示

2010年6月30日のニュース