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初ゴールには「最高の舞台」メッシ“リベンジ”必ず

[ 2010年6月30日 06:00 ]

メキシコに勝利し、サポーターにあいさつするメッシ

 【W杯南アフリカ大会・アルゼンチン】何もできなかったドイツ大会の悔しさを晴らす時が訪れた。ドイツとの対戦を前に、アルゼンチンの攻撃の根幹をなすFWメッシが気持ちを高ぶらせている。

 「4年前のリベンジをする自信はある。いい試合にしたい」。4年前のドイツ大会、メッシは1次リーグ第2戦のセルビア・モンテネグロ戦でアルゼンチン代表のW杯最年少得点記録を塗り替え、同最終戦オランダ戦は先発したものの、準々決勝のドイツ戦は出場機会が与えられなかった。ベンチで見届けたPK戦の末の敗戦。FIFA最優秀選手として戻ってきた2度目のW杯での再戦。自分の活躍で勝利に導きたいという思いは強い。
 ここまでの4試合は数多くのゴールを演出しながら自身はノーゴール。「物語が(4年前から)変わることを望んでいる。最初のゴールを決めるには最高の舞台だね」。厳しいマークを受けるのは必至だが、ゴールを決められればチームの勝利も見えてくる。
 戦闘モードのエースに、マラドーナ監督も全幅の信頼を寄せている。大会前には「チームはメッシの操縦するロールスロイス」と例えたが、27日のメキシコ戦後には「ピッチ上でジェット機のようだった」と称賛した。今大会ではトップ下での起用が目立つが「どこでプレーした方がいいなどと言わない方がいい。それは彼が決めること」と背番号10の後継者にすべてを任せている。
 指揮官もドイツとの因縁は深い。86年メキシコ大会は決勝で西ドイツを破って優勝を飾ったが、90年イタリア大会は決勝で返り討ちに遭った。監督就任後は今年3月に親善試合で対戦し、FWイグアインのゴールで1―0で制した。この勝利で、指揮官としての自信を深めた。「ドイツに勝つには最高のチームづくりをするしかない。彼らを打ち負かすために、適材適所の選手を入れる」とマラドーナ監督。盤石の態勢を整え、“師弟”ともに雪辱の舞台に向かう。

 ◆ドイツVSアルゼンチンVTR
 ▼58年スウェーデン大会1次リーグ 「ブルドーザー」の異名を取ったFWラーンの2得点などで、西ドイツが3-1でアルゼンチンに逆転勝ち。57年に南米選手権を制したアルゼンチンは1次リーグ敗退。
 ▼66年イングランド大会大会リーグ 西ドイツ0-0アルゼンチン。ともに決勝トーナメントに進出し、20歳の若きMFベッケンバウアーが活躍した西ドイツは準優勝を果たした。
 ▼86年メキシコ大会決勝 MFマラドーナ擁するアルゼンチンが3-2で西ドイツを撃破して2度目の優勝。2-2で迎えた後半38分、マラドーナのスルーパスからMFブルチャガが決勝点。
 ▼90年イタリア大会決勝 西ドイツが1-0でアルゼンチンを破り、前回大会のリベンジ成功。後半40分にPKでMFブレーメが決勝ゴール。DFブッフバルトがマラドーナを徹底マークした。
 ▼06年ドイツ大会準々決勝 地元ドイツが0-1の後半35分にFWクローゼのゴールで同点。そのまま延長戦で決着がつかず、PK戦でGKレーマンが2人を止めて4-2で勝利した。

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2010年6月30日のニュース