闘莉王　満身創い…４戦目で攻撃“解禁”実らず

前半、パスを出す闘莉王

　【Ｗ杯決勝トーナメント１回戦　日本０－０　ＰＫ３－５パラグアイ】０―０で迎えた延長戦開始前。円陣でＤＦ闘莉王が吠えた。魂の叫びでイレブンに気合を注入した。そのゲキに応えて守備陣は何度も攻め込まれながら、南米の雄を相手に１２０分間ゴールを割らせなかった。しかし、ＰＫ戦では非情な結果が出てしまった。

　初の８強入りはならなかったが、その執念は攻撃的スタイルにも表れていた。１次リーグは最終ラインで守備に専念していた闘莉王が、４戦目にして初めて“禁”を解いた。前半３分、いきなり前線に顔を出し、３４分にはボールを持つとドリブルで突破を図った。３９分にもスルスルとハーフウエーラインを越えて攻め上がった。前日には「まずは守備から入る。１点の重みが２倍以上になる」と話していたが、ゴールへの飢えは抑えられなかった。後半１７分には右ＣＫから１メートル９１のＦＷサンタクルスに競り勝ってヘディングシュートを放った。同ロスタイムにはＦＫからＤＦ中沢が頭で落としたボールに体を投げ出しながらシュートを狙ったが、あと一歩届かなかった。延長後半８分にはＦＫから頭で叩きつけたが左に外れた。
　満身創いだった。デンマーク戦で右でん部を痛めた上に、後半２２分にはＧＫ川島と交錯して左肩を強打。それでも、最後まで体を張ったが、勝利にはつながらなかった。