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ドゥンガ監督“ブレない”オランダ戦も堅守速攻

[ 2010年6月30日 06:00 ]

チリに勝利しガッツポーズで喜ぶ、ブラジルのドゥンガ監督

 【W杯決勝トーナメント1回戦 ブラジル3-0チリ】ブラジルは28日、チリを3―0で下して、5大会連続となる8強進出を決めた。就任4年目となるドゥンガ監督(46)がチームをまとめ上げ、今大会初の南米決戦に快勝。オランダはスロバキアを2―1で破って、3大会ぶりにベスト8に進んだ。優勝候補の両チームが7月2日の準々決勝(ポートエリザベス)で対戦することが決まった。

 8強を決める大舞台で3―0の快勝。ブラジルをまた一歩、頂点に近づけたドゥンガ監督は「勝ち上がるにつれて自信が膨らむ」と力を込めた。
 会心の勝利だった。序盤チリが見せた攻勢をしっかり受け止め、前半35分に右CKから先制。その3分後には前がかりになった相手から流れるようなカウンターで追加点を奪い、後半14分にもボランチのラミレスがスキを突いた攻め上がりを見せてダメ押し弾を演出した。攻撃意識が強いチリにボールを持たせておびき出し、奪い取るとゴールを急襲する。指揮官は「ブラジルの質をもってすれば難しくはない」と話した。エラーノとフェリペ・メロの両MFを故障で欠いていたが「戦術が浸透して選手が代わっても問題ないさ」と事もなげに言い切った。
 勝負に徹した守備的な戦いが「退屈」と批判される。それでも「闘将」と呼ばれる男の姿勢にブレはない。批判に対しては過去にW杯を制した歴代のブラジル代表を引き合いに出し「70年に優勝した時は(多くの)家にテレビがなかった。今は特集映像で(当時のチームの)いい部分を紹介するだけ。現代表は悪い部分も紹介されるが、われわれだって最高のシーンを集めればスペクタクルなチームだったと言われるだろう」と反論。堅守速攻の効率重視を貫いた。
 1次リーグ最終戦となった25日のポルトガル戦は司令塔カカーを出場停止、FWロビーニョを負傷で欠いた。0―0と苦戦し、母国では「ロナウジーニョがいれば」とW杯メンバーを外れた元スターの不在を嘆く声も上がったが、引き分けがない決勝トーナメントの初戦でチームを快勝に導き、批判に結果で応えた。
 準々決勝は強豪オランダと対戦する。ドゥンガ監督は「すべてのプレーを高める必要がある」と訴えた。一撃必殺のカウンターに磨きをかけ、王国がさらなる高みを目指す。

 ≪5大会連続8強入り≫ブラジルがチリに3―0で快勝し、5大会連続のベスト8進出。16強による決勝トーナメント(T)となった86年大会以降、ブラジルの決勝T1回戦の成績は5勝1敗。90年にアルゼンチン(●0―1)に敗れただけで、勝った5試合のうち4試合は3点差以上の完勝。また、W杯で他の南米勢との対戦は、これで通算9勝1分け2敗となった。

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2010年6月30日のニュース