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タダしい競馬の見方塾 ~GⅠ秋華賞~

[ 2021年10月21日 11:30 ]

秋華賞を制するアカイトリノムスメ(左3頭目)
Photo By スポニチ

 キャリア豊富な競馬記者Aがレース結果を詳しく解説する「タダしい競馬の見方塾」。今回は17日に開催された「GⅠ秋華賞」編。

 アカイトリノムスメが勝った一戦だが、ソダシが大敗を喫した一戦としても記憶されていくのだろう。ソダシの敗因として陣営が説明したのが、発走直前のゲート内で暴れ、歯をぶつけたというもの。「歯がぐらぐらして血が出ていた」というから、相当なものだ。人間に置き換えても結構しんどいだろうなと思ってしまうが、ましてや競走馬はハミを装着することで口が騎手とのコミュニケーションツールとなる。そこがダメージを受けていれば、道中でストレスが重なったことはよく分かる。

 ただ、それを考慮しても負けすぎではないのか。民放ではレース前、待避所から動かないソダシの姿が映し出されていた。もしかして、レースに嫌気が差し始めているのではないか。どのように気持ちを立て直していくのか。陣営の真価が問われるところだ。

 それでも、勝ったアカイトリノムスメはソダシと同じ金子真人ホールディングス所有馬で、金子オーナーとしてはホッとしたことだろう。こちらもディープインパクト×アパパネという3冠馬同士の配合。ソダシにばかり話題が集中したが、例年ならもっと注目されていい血統だ。道中は5番手付近で終始、ソダシを視界に入れながらの追走。最後は我慢比べのような競馬になったが、グッと前に出た。このあたりが父母から受け継いだ勝負根性だろう。オークス以来で2キロ減。馬体重を聞いた時は、成長がなかったのかと思ったが、パドックではトモがグッと膨らんだ感じに見せ、ベストの状態に出来上がっていると思わせた。次走はエリザベス女王杯か、ジャパンCか。本質的には東京がベストと思うのでジャパンCでも決して軽視はできない。

 ♤競馬記者A スポニチSIVA運営に携わる競馬記者。取材歴は20年超のベテランで、メディア出演実績も多数。本人いわく「運だけは人一倍」。

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