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タダしい競馬の見方塾 ~2021 ユニコーンS~

[ 2021年6月22日 10:45 ]

ユニコーンSを制するサヴァに1馬身差をつけ勝利するスマッシャー
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 キャリア豊富な競馬記者Aがレース結果を詳しく解説する「タダしい競馬の見方塾」。今回は20日に開催された「ユニコーンS」編。

 過去6年の勝ち馬が全てのちにGⅠ馬に輝いた、国内最強の出世レース。今年、制したのはスマッシャーだった。実は筆者、この馬の単勝を獲った。7番人気にすぎなかったが能力を高く評価していた。まずは今年1月に勝った未勝利戦。2着馬に1秒2差つける完勝だった。重馬場とはいえ勝ちタイム1分24秒5も速い。そして、負けた馬から次走以降に白星をマークした馬が5頭も出た。ユニコーンS同様、このレースも「出世レース」となったのだ。そんなレースを圧勝したのだから強いことは間違いとインプットしておいた。

 1勝クラス勝ちの際に見せた脚も素晴らしかった。上が3F36秒9。よく追い上げたように見えた2着馬が37秒9だから脚の違いは歴然としていた。ここで高い能力を確信。続く端午Sで単勝馬券を買ったが3着。4角10番手では少々後ろ過ぎたかもしれない。久々も響いていた可能性がある。もう一度、買ってみようということで臨んだのが今回だった。

 4角8番手から上がり3F最速(35秒4)の決め手を繰り出し、長い直線を生かして差し切り。ほぼ読み通りだった。4勝を挙げた姉モルフェオルフェがマイルが得意だったので、マイルまでは大丈夫だろうと考えたが、この勝ちっぷりならマイルが最適の可能性もある。将来のフェブラリーSを勝てる素材が誕生した一戦だった。

 2着サヴァは14番人気だったが、そう思わせない強さがあった。直線を向き、胸突き八丁の最も厳しいところでラップを上げて先頭に立った。最後は勝ち馬の切れに屈したが、差し馬が上位を占める中。3番手で立ち回って2着に残ったこの馬の粘りは目を引いた。

 一方、20日の阪神11R GⅢマーメイドSは、荒れる牝馬限定のハンデ戦。今年も33万馬券の大波乱結末が待っていた。主役となったのは10番人気シャムロックヒル。最内枠から押してハナを主張し、そのまま逃げ切るという波乱演出の基本形だった。ただ、今回の鞍上に指名された藤懸騎手は追い切りに2度またがって感触をつかんでいた。スタート後に押してしっかりとハナを主張した点も好感が持てた。

 直線を向き、シャドウディーヴァが迫ったが、そこで振り切ったのはハンデ差(50キロ、シャドウディーヴァは55キロ)もあったか。外から5番人気クラヴェルが迫ったが首差押し切った。

 藤懸騎手はこれが初重賞制覇。調教での仕上げのうまさは評判で「最終追いは藤懸に任せればOK」と言われるほど。技術が確かなことは間違いなかった。今回の大仕事のきっかけは間違いなく今年のオークスでの3着(ハギノピリナ)だったと思う。あの走りで「自分でもやれる」という自信が生まれ、思い切りのいい騎乗につながったのではないか。これをきっかけにさらに飛躍してほしい。

 2着クラヴェルは後方待機からの決め手勝負。横山典騎手らしい騎乗ぶりだった。この騎手の51キロでの騎乗はなかなか見ない。執念を感じた。3着シャドウディーヴァの福永騎手もさすが。気がつけば勝負どころでインにいた。繰り返しになるが、最後はハンデ差が響いた。

 ♤競馬記者A スポニチSIVA運営に携わる競馬記者。取材歴は20年超のベテランで、メディア出演実績も多数。本人いわく「運だけは人一倍」。

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