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タダしい競馬の見方塾 ~セントライト記念~

[ 2021年9月22日 12:55 ]

ゴール前で差し切り、朝日杯セントライト記念を制すアサマノイタズラ
Photo By スポニチ

 キャリア豊富な競馬記者Aがレース結果を詳しく解説する「タダしい競馬の見方塾」。今回は20日に開催された「セントライト記念」編。

 3日間開催を締めくくった一戦は見ていて非常に面白い一戦だった。勝ったアサマノイタズラは田辺騎手の判断の良さが随所に光った。

 ポイントは早々とやってきた。まずはノースブリッジが行きかけたが、1コーナーすぎでこれを制してワールドリバイバルが果敢に前へ。そこにルペルカーリアも絡んでいった。前半1000メートルは60秒5。だが、次々と位置を上げる馬が現れるような競馬はタイム以上に体力を奪っていく。先団の馬たちの疲労は相当なものだったはずだ。

 アサマノイタズラは先団の馬たちと距離を取り、スタミナを温存した。活気十分に4角で上昇し、周囲を見計らって直線で外へ。このあたりの田辺騎手のうまさはさすがだ。坂を上がって矢のように伸び、先に前に出たソーヴァリアントを差し切った。

 アサマノイタズラは春、どちらかといえば前めで立ち回ってきた馬だ。しかも前走は後方で構えて12着に大敗している。それでも先団の動きを見ながら冷静に後方で進めた田辺騎手のジャッジは称賛されるべきだろう。田辺騎手は初騎乗。前任の嶋田騎手から情報を得ていたというが、先入観なく乗れたはずだ。初騎乗のメリットを生かせたといえる。

 敗れた馬で注目は2着ソーヴァリアント。過酷な競馬を強いられた先団のまっただ中に位置し、道中で力んだシーンも見えた。それでいて直線で手応え良く先頭に立った。この馬は間違いなく出世すると思う。3着オーソクレースも何とか間に合わせた印象だが、それでこの健闘ぶり。高い潜在能力を見せつけた。

 ♤競馬記者A スポニチSIVA運営に携わる競馬記者。取材歴は20年超のベテランで、メディア出演実績も多数。本人いわく「運だけは人一倍」。

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