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タダしい競馬の見方塾 ~京成杯AH~

[ 2021年9月14日 18:20 ]

戸崎圭太騎手の手綱に応え差し切ったカテドラル
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 キャリア豊富な競馬記者Aがレース結果を詳しく解説する「タダしい競馬の見方塾」。今回は12日に開催された「京成杯AH」編。

 「強い馬が勝つ」のも競馬だが、騎手の駆け引きによって思いもよらぬ結果が導き出されるのも競馬の面白さだ。

 まずは先手争いが注目だった。行きたいタイプは多い。しかし、逃げの最有力候補だったバスラットレオンが出遅れる。サッと前に行ったのはコントラチェックとスマイルカナ。昨年、今年と同じ大外枠から半ば強引にハナを奪いに行ったスマイルカナだが今回、柴田大騎手は2番手に控えた。隊列が早めに決まったことで、このメンバーにしてはゆったりと流れた。

 4コーナーでもコントラチェックの手応えはいい。直線半ばでも先頭を保った。逃げ切りかと思った坂上、外から迫り、わずかにかわしたのが同じ勝負服のカテドラルだった。このカテドラル。直線を向いてしばらくは、前が壁になっていた。ただ、この時にしっかりと脚がたまっていた。残り150で進路を確保すると鋭く伸び切った。

 上位2頭はともに「間隔を空けて状態がいい」というコメントが陣営から出ていた。その上でレースでは展開の利があった。コントラチェックはマイペースでの逃走がかない、カテドラルは脚をためるタイミングがあった。重量によって力を均衡させるハンデ戦。コンディションと展開によって結果が決まる、競馬のだいご味を味わえた一戦だった。1番人気グレナディアガーズは3着。本来はハイペースの中、先団で強じんな脚を使うタイプで今回は全く展開が合わなかった。最後に差を詰めたことは評価していい。

 ♤競馬記者A スポニチSIVA運営に携わる競馬記者。取材歴は20年超のベテランで、メディア出演実績も多数。本人いわく「運だけは人一倍」。

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