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タダしい競馬の見方塾 ~2021 ヴィクトリアマイル~

[ 2021年5月18日 21:00 ]

ヴィクトリアマイルを制したルメール騎乗のグランアレグリア
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 キャリア豊富な競馬記者Aがレース結果を詳しく解説する「タダしい競馬の見方塾」。今回は16日に開催された「ヴィクトリアマイル」編。

 ☆5/16 東京11R GⅠヴィクトリアマイル
 グランアレグリアがその強さを見せつけた一戦。長く語り継がれるであろう、印象に残るレースとなりました。当欄では、勝ち馬(の騎手)がいかに工夫して、勝利をつかんだかを解説してきましたが、グランアレグリアに関しては馬が自ら勝てる位置を確保し、しっかり伸び切ったように見えました。いや、ルメール騎手が何もしていないという意味ではなく、馬に任せておけば、グランアレグリアの場合は勝ってしまうということです。ルメール騎手の高い技術がそう見せているだけなのかもしれませんが…。

 スタートはそこまで良くはありませんでしたが、先行した馬を行かせ、インから3~4頭目の位置をキープしているうちに、自然と10番手の外、いつでも抜け出せる位置を取っていました。

 直線を向いて、依然として10番手の外。この日の馬場コンディションを考慮すると、もう少し前にいたいところです。ただ、ルメール騎手には余裕がありました。持ったまま。この馬の瞬発力をもってすれば軽く差し切れることを分かっていました。残り350メートルで追い出し、先に先頭に立ったレシステンシアをかわしにかかります。残り200メートル。先頭に立つ時に手前(軸脚)を替えました。ルメール騎手が「ギアを上げました」と語った場面です。一気にスピードアップし、後続を突き放して勝負を決めました。4馬身差、完勝。勝ちタイムの1分31秒0は、今の馬場コンディションを考慮すれば破格だと思います。

 離れた2着はランブリングアレーでした。10番人気馬の快走には吉田隼騎手の好プレーがかなり貢献しています。向正面ではインに付けてスタミナの消耗を最小限に防ぎ、直線では外に動いてグランアレグリアの通った後を追いかけました。この馬の後ろなら、前は開き続けます。目標馬のスピードが速いのでランブリングアレーも自然と自らの限界を突破。上がり3F33秒2と過去に出したことのないタイムを叩き出しました。

 3着マジックキャッスルは終始、インで立ち回って1枠1番の利をフルに生かしました。もう少し前がきれいに開いていたら2着があったかもしれませんが、それは運の領域です。力は見せました。

 ♤競馬記者A スポニチSIVA運営に携わる競馬記者。取材歴は20年超のベテランで、メディア出演実績も多数。本人いわく「運だけは人一倍」。

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