“生ける伝説”デットーリ、8年ぶり日本来た!ジャパンCへ「勝つことがターゲット」

[ 2019年11月21日 05:30 ]

インタビューの間もカメラを向けるとポーズを取るデットーリ(撮影・篠原岳夫)
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 生ける伝説がついにやって来た!史上初の外国馬不在となった「第39回ジャパンC」(24日、東京)だが、ジョッキーは世界トップ級が勢ぞろい。ルックトゥワイス(牡6=藤原英)に騎乗する世界的名手ランフランコ・デットーリ(48=イタリア出身)が20日、来日。11年の日本ダービー(デボネア12着)以来、8年半ぶりの参戦となる日本競馬への思いを語った。

 ――日本での騎乗は実に8年半ぶり。来日を決断したのはなぜか。
 デットーリ「来月で僕は49歳。騎手としての今後のキャリアはそう長くないので、また日本に来たいと考えた。今夏に(社台ファーム代表の)吉田照哉さんに相談して実現したんだ」

 ――その吉田照哉氏が“デットーリが乗れば5馬身は違う”と語ったことがある。
 「本当に?凄くありがたい言葉だけど、事実ではないと思う(笑い)。ノットトゥルーだね」

 ――騎乗停止処分で来日予定が延期。ファンはやきもきした。
 「メルボルンC(豪G1)でアクシデント(2位入線も4着降着。騎乗停止処分を科された)があって遅くなったけど、無事に来日できて本当にうれしい。ジャパンC、チャンピオンズCで勝つことはもちろん、もし可能ならば有馬記念にも乗りたいね」

 ――滞在中はイタリアの後輩でもあるM・デムーロの家に宿泊するらしいが?
 「ミルコは日本で活躍している素晴らしい騎手。見習いの頃から知っているし、ずっと友達。日本語も話せるし、いろいろと助けてもらうよ。家に泊まるので料理が上手だといいね(笑い)」

 ――数々の世界のビッグレースを制してきた。今後の目標は?
 「今は目の前のジャパンCに勝つことがターゲット。あとは妻の母親がオーストラリア出身なので、いつかメルボルンCも勝ちたいね」

 ――エネイブルとのコンビは日本でも有名だ。
 「うれしい。とても愛している馬だから。信じられない走りをする。騎乗できて幸せだし現役続行が決まって良かった」

 ――日本競馬の印象は?
 「欧州に遠征してくる馬の活躍はいつも見ていたよ。今年だとディアドラ(英G1ナッソーS制覇)。日本の競走馬はハイクオリティーでタフ。高水準な印象がある」

 ――今年のジャパンCは史上初めて外国馬が0頭。なぜ外国馬が来日を敬遠するようになったのか。
 「欧州の馬はこの時期、疲れて休養が必要な面もあるが、何より国際招待レースが増えたことが理由じゃないかな。ジャパンCが創設された頃と違って、今はレースの選択肢がたくさんあるから。今年はたまたま0頭になったけど、来年は大丈夫だと思うよ」

 ――最後にジャパンCへの意気込みを。
 「騎乗するルックトゥワイスのレース映像はまだ見ていないけど、木曜日に藤原英昭調教師と確認する予定。僕自身は今回の来日を凄く楽しみにしていたし、勝つことができれば最高だね」

 【デットーリの伝説】
 ▼いきなり 92年、中山で行われたヤングジョッキーズワールドチャンピオンシップでJRA初参戦。いきなり優勝し、翌年も連覇。
 ▼7の7 96年9月28日のアスコット。全7競走を全て勝つ「マグニフィセントセブン」を達成。アスコット競馬場には銅像ができた。
 ▼生還 00年6月1日、乗っていた小型機が墜落。パイロットは即死したが奇跡的に生還。
 ▼ド派手 ビッグレースを制した後、馬の背から万歳で飛び降りる「フライングディスマウント」「デットーリジャンプ」は有名。仲のいい横山典騎手が日本でも披露する。
 ▼5馬身 02年に日本でジャパンCダート(イーグルカフェ)、ジャパンC(ファルブラヴ)で2日連続G1V。その様子に吉田照哉・社台ファーム代表は「彼が乗ると5馬身違う」と驚嘆した。今回の来日に際しても「彼はタイガー・ウッズのようなもの」とゴルフ界のレジェンドに例えた。

 ◆ランフランコ・デットーリ 1970年12月15日生まれ、イタリア出身の48歳。父ジャンフランコも騎手。14歳で単身英国に渡り、ルカ・クマーニ師の下で修業。86年、15歳の時にイタリアで初勝利。その後は英国に拠点を移し、数々の名馬とのコンビで凱旋門賞6勝。G1は252勝。ジャパンCは3勝。JRA通算84戦18勝。重賞は4勝(20日現在)。

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