【宝塚記念】シュヴァルグラン“打倒キタサンブラック”へ好感触

[ 2017年6月22日 05:30 ]

悪コンディションの坂路で、ジュンテオドーラ(右)に並びかけるシュヴァルグラン
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 待ってろブラック!!上半期の総決算「第58回宝塚記念」の追い切りが21日、東西トレセンで行われた。栗東では天皇賞・春で2着とキタサンブラックに迫ったシュヴァルグランが坂路で併せ馬。不良馬場が影響して4F56秒2と時計は地味だが、力強い脚取りで駆け抜けて態勢を整えた。同レースは22日に出走馬、枠順が決定する。

 どっしりと落ち着き払ったシュヴァルグランの姿からは、打倒キタサンブラックへの決意がにじみ出ているようだった。台風のような強風と大雨。音に驚きチャカつく馬も多く見られたが、泰然自若。角馬場で乗り込まれている最中も、ジッと集中力を保ち続けた。

 坂路での最終追いはジュンテオドーラ(3歳500万)を2馬身追走からスタート。序盤はゆったりと。徐々に加速すると残り1Fで気合の右ステッキ1発。僚馬と体を併せるとゴール前で、もう1発。しまい重点にしっかり追われて4F56秒2〜1F13秒4で併入。時計は速くはないが、不良馬場の悪条件に加え、元々調教駆けしないタイプ。友道師の表情にも悲観の色は、みじんも見られない。

 「時計はかかったが、ちゃんと動けていたので問題ない。先週しっかり追って体はできていますから。昨年(9着)は疲れが残った状態だったけど、今年はダメージがない。昨年と比べて腰周りやトモ(後肢)がしっかりして、成長もしている」

 天皇賞・春は直線で鋭く伸びブラックに0秒2差2着まで迫った。シュヴァルの走破時計3分12秒7もディープインパクトが打ち立てた従来のレコードを上回っていた。福永も「今年に入ってもう一段階、レベルアップしている」とトレーナーと同じく成長を口にする。レース当日は雨予報。師が「大雨は嫌だけどパンパンの良馬場よりは湿って時計がかかった方がいい」と話せば、鞍上も「先週は(阪神は)時計が速く前残りが目立ったが、雨で傾向が変われば差し馬が台頭する場面もあり得る」と前向きに捉えている。

 同じく元メジャーリーガーの佐々木主浩氏が所有する半妹のヴィブロスは秋華賞とドバイターフで国内外G1制覇。福永は「妹が先にG1馬になりましたから。シュヴァルに足りないのはタイトルだけ、という気持ちで騎乗したい」と決意表明。ブラックには「文句なしの国内最強馬」(福永)と最上級の賛辞を贈りながらも、陣営は最後まで勝利を諦めるつもりはない。

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2017年6月22日のニュース