365日 あの頃ヒット曲ランキング 2月

【1984年2月】星空のディスタンス/アルフィー 悩みに悩んだ初ヒットの次の曲

[ 2012年2月6日 06:00 ]

★84年2月ランキング★
1 Rock’n Rouge/松田聖子
2 北ウイング/中森明菜
3 星空のディスタンス/アルフィー
4 もしも明日が…。/わらべ
5 チャールストンにはまだ早い/田原俊彦
6 悲しみがとまらない/杏里
7 ワインレッドの心/安全地帯
8 お久しぶりね/小柳ルミ子
9 サムライ・ニッポン/シブがき隊
10 ボイジャー/松任谷由実
注目少年ケニア/渡辺典子
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【星空のディスタンス/アルフィー】

 苦節、という言葉は好きではないと3人はよく言っていたが、4人組だった74年に「夏しぐれ」でデビューしてから10年。ようやくヒット曲と呼べる名刺をアルフィーは手に入れた。

 83年、「メリーアン」がレコード売り上げ36万枚を記録し、TBS「ザ・ベストテン」にも出演。一部ファンには高い人気を誇っていたが、これで一気に坂崎幸之助、桜井賢、高見沢俊彦の3人の顔が世間に広まった。

 「メリーアン」のヒットに喜びながらも、高見沢は次を考えると悩んだ。せっかくレコードが売れたのだから、この状態をずっと続けたい。いわゆる「一発屋」で終わってファンを裏切りたくない。その思いが強かった。その苦しみの中でつむぎ出されたのが「星空のディスタンス」だった。

 スケジュールがぎっしりのコンサートツアー中に、暇さえあれば曲を考えていた高見沢。「メリーアン」の曲調はそれまでのアルフィーの持ち味であるスピード感のある曲調や歌詞の世界が少し趣を異にしていただけに、売れっ子になる前からのファンに応えるためにも、今度は疾走感のあるロックにしたかった。

 しかし、「メリーアン」でファンになってくれた人の期待も裏切ってはならない。その葛藤の中で、何度も作っては書き直し、作っては書き直しの連続だった。ようやく曲が出来上がったのは晩秋。「メリーアン」同様、作詞を依頼した高橋研とつき合わせてみると、サビの部分の「星空の下のディスタンス」の部分が違和感なくピタリと合った。それは同時にヒットが約束された瞬間だった。

 TBSドラマ「無邪気な関係」の主題歌にも決定し、当時人気だった女優石原真理子が主演という話題性も手伝ったが、1月21日発売のレコードは、好調な滑り出しをみせ、最終的に54万枚をセールス。今でコンサートではアンコールを中心に必ずと言っていいほど歌われる代表曲となった。

 

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