365日 あの頃ヒット曲ランキング 2月

【1982年2月】ウエディング・ベル/シュガー 女の本音スバリ 決めゼリフは“事件”に

[ 2012年2月11日 06:00 ]

★82年2月ランキング★
1 赤いスイートピー/松田聖子
2 情熱・熱風・せれなーで/近藤真彦
3 心の色/中村雅俊
4 ウエディング・ベル/シュガー
5 君に薔薇薔薇…という感じ/田原俊彦
6 夢の途中/来生たかお
7 セーラー服と機関銃/薬師丸ひろ子
8 すずめ/増田けい子
9 ぶりっこロックンロール/紅麗威甦
10 デザイアー/もんた&ブラザーズラブレター/河合奈保子
注目Sexyな気分の夜だから/嶋大輔
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【ウエディング・ベル/シュガー】

 時代は80年代。いくら女性がズバズバものを言う時代になったとはいえ、本音を表立って口にするシーンはそう多くはなかった。そんなタブーを破り、結婚式という晴れの舞台で女の本音を歌にしてみせたのが、女性3人組の「シュガー」だった。

 好きだった男が別の女性と結婚してしまった。式になぜか呼ばれたお嫁さんになりそびれた女は複雑な気持ちで「わたしの方がちょっとキレイみたい」などと内心思いながら、教会の一番後ろの席でグチる。そして、最後に一番言いたかった言葉「くたばっちまえ アーメン」と“祝福”する――。

 82年当時、女性アイドル歌手に象徴される“ブリッ子”といわれる、男の前では愛想のいい女の子が女子の敵といわれていたが、「ウエディング・ベル」は、そんなブリッ子に鉄槌を食らわせるような、スカッとする曲だった。

 これまでになかった嫌味たっぷり歌詞と、対照的に3人のコーラスの美しさというギャップもウケた。当時、ウエディングシーズンの6月とは程遠い81年11月21日に発売。クリスマスの頃から火がつき、2月にヒット。レコード売り上げ50万枚を記録し、華々しいデビューとなった。

 もともとアルバムを制作していた中での1曲。そのプロモーション的なものとして、シュガーの個性を出せる曲としてシングルカットされたのが「ウエディング・ベル」だった。

 話題になった「くたばっちまえ アーメン」の決めゼリフだったが、NHKの神戸放送局が「ウエディング・ベル」を流した際に、この部分をカット。BGMだけにした。理由は「神戸には教会が多く、関係者が聞いたら反感を買う」というものだった。

 そんな“事件”もあり、周囲は大みそかの紅白歌合戦出場は確実としながらも、本人たちは「NHKに嫌われている」と思い込み、無理と確信していた。結局、初出場でNHKホールの晴れ舞台に立つことができたが「本番までわからない。やっぱり取り消されるかも」と本気で思っていたという。

 「しおらしくない3人娘」という意味から、それをチャカして「シュガー」と名付けた。中学の同級生、ギターのクミとベースのモーリが高校時代に「かりんとう」というバンドを組んでポプコンに参加。そこにソロとして出場していたのがのちにメーンボーカルとキーボードのミキだった。

 結局、ヒットと言えるのはこのデビュー曲のみで87年に解散。笑いの要素たっぷりの歌詞と主旋律を追いかける“合いの手コーラス”は今でも出色である。

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