365日 あの頃ヒット曲ランキング 2月

【1980年2月】さよなら/オフコース ヒット狙い 最初はハッピーエンドの予定が…

[ 2012年2月25日 06:00 ]

★80年2月ランキング★
1 大都会/クリスタル・キング
2 さよなら/オフコース
3 恋/松山千春
4 異邦人/久保田早紀
5 TOKIO/沢田研二
6 秋止符/アリス
7 Wake Up/財津和夫
8 おまえとふたり/五木ひろし
9 セクシー・ユー/郷ひろみ
10 とまり木/小林幸子
注目贈る言葉/海援隊
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【さよなら/オフコース】

 ヒットしてほしい、ではなくヒットさせなければならない、という思いでリリースしたのは初めてのことだった。

 79年12月1日、オフコースはシングル「さよなら」を発売した。既に「コンサートのオフコース」と言われ、年間150を超えるステージはどこへ行っても満杯。当時、ヒット曲を連発していたアリスとともに、人気の点で拮抗していた。

 ただ、アリスと違ったのはヒットチャートの上位に食い込むシングルがなかったことだった。前作となる「愛を止めないで」も発売直後の出足は好調だったが、結局セールス的には15万枚止まり。スマッシュヒットの域を出なかった。

 シングルが売れなくても、アルバムが評価され、ステージが充実していれば…というスタンスをとるミュージシャンも多かったが、オフコースはそこにとどまっている時間は終わったと判断していた。折りしも、小田和正、鈴木康博のオリジナルメンバーに、清水仁、松尾一彦、大間ジローのサポートメンバーが正式に加入し5人になった。次のステップに進むために、勢いのつく大ヒット曲は必須だった。

 ヒットを念頭に置いた小田は、当初ハッピーエンドの曲を書くつもりだった。曲入れが終わり、いざ歌を吹き込む段になると、小田の心と頭の中で「さよなら」の4文字が離れなかった。悩んだ結果、詞を全面的に書き換え、ハッピーエンドではなく、別れの歌で勝負する腹を決めた。

 寂しげなイントロに「もう 終わりだね」という歌いだしは、「暗い」とか言われたものだが、じっくり聞くと「さよなら」のリフレインは印象に残り、間奏のギターなどはロック的要素も盛り込まれるなど、完成度は高かった。

 狙い通り曲はヒット。オフコースのことをよく知らなかったアイドルに興味のある若年層、フォークやニューミュージックを敬遠しがちだった年配者にも浸透。レコードデビューから10年にして、75万枚の売り上げを記録した。

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