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365日 あの頃ヒット曲ランキング 2月

【1994年2月】風と雲と私/熊谷幸子 あきらめていた歌手への夢 実現させてヒット曲

[ 2012年2月9日 06:00 ]

 ★94年2月ランキング★
1 Don’t Leave Me/B’z
2 OH MY LITTLE GIRL/尾崎豊
3 この愛に泳ぎ疲れても/ZARD
4 ただ泣きたくなるの/中山美穂
5 ロマンスの神様/広瀬香美
6 白いGradation/大黒摩季
7 WINTER SONG/ドリームズ・カム・トゥルー
8 風と雲と私/熊谷幸子
9 気分爽快/森高千里
10 My Sweet Home/小泉今日子
注目ラストソング/吉岡秀隆
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【風と雲と私/熊谷幸子】

 一度あきらめた夢をもう一度追いかけて、多くの人の心に残るヒット曲が生まれた。

 デビュー3年目、29歳のシンガーソングライター・熊谷幸子が歌った、94年2月9日発売の「風と雲と私」は、フジテレビ系連続ドラマ、和久井映見主演の「夏子の酒」の主題歌に起用されたこともあり、33万枚のCDシングルが売れた。持ち味の澄んだ高い声は、雲がぽっかりと浮かぶ青空を連想させる、聴いていて心地よい一曲だった。

 その年齢が示すように遠回りをしてきた。3歳からクラシックピアノを習い始めたのが音楽との最初のコンタクト。中南米の音楽と坂本龍一に影響を受け、高校時代には各種コンテストに出場した。それでも最高は神奈川県で優秀賞止まり。歌手で食べていくという夢は夢で終わった。

 就職し、フィリピンの海運会社の日本支社に勤務。秘書として7年間まじめに働いてきた。いずれは結婚して家庭を持ち、そして子どもが生まれ…と漠然と将来を想像したが、「25歳で結婚できるかなと思ったけどできなかった」ことで、人生の舵を大きく切った。

 OLを続けながらアフター5は、作曲家の松任谷正隆が主宰する音楽スクールで学んだ。2年後にその才能を認められ、念願の歌手デビュー。10年かかったが、夢が現実となった。

 自分で歌うだけでなく、CMソングやアイドルへの楽曲提供など幅広く活動。音楽業界でも評価は高かったが、いまひとつ地味だった。そこへ舞い込んだのがドラマ主題歌の話だった。

 東京の広告代理店に勤めていた女性が、実家で造り酒屋を切り盛りしていた兄の死をきっかけに、その夢を継いで奮闘するストーリーが、曲のイメージとピッタリ合い、反響は大きかった。それでも熊谷は自然体を通し、軸足がぶれることはなく、自分のペースで音楽と向き合った。

 98年に元担当のディレクターと結婚。松任谷正隆・由実夫妻が仲人を務めた。

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