「光る君へ」柄本佑“吉高まひろ”との関係は「言葉で表されるような惹かれ合いの強さじゃない」撮影裏話も

[ 2024年3月18日 05:00 ]

大河ドラマ「光る君へ」第10話。まひろ(吉高由里子)と藤原道長(柄本佑)は初めて肌を重ね…(C)NHK
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 俳優の柄本佑(37)が、NHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8:00)で藤原道長を演じている。吉高由里子演じる主人公・まひろ(紫式部)と生涯にわたって特別な絆で結ばれた重要な役どころ。まひろへの恋心や権力争いに揺れる感情の機微を繊細に表現し、新たな“道長像”をつくり上げている。柄本は「まひろと道長のラブストーリーと政治が面白い交わり方をしている」と作品をアピールした。

 <※以下、ネタバレ有>

 「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などを生んだ“ラブストーリーの名手”大石静氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演で、柄本は「風林火山」「いだてん~東京オリムピック噺~」に続き、3作目の大河出演となる。

 栄華を極めた高慢なイメージの道長だが、今作では穏やかでのんびりとしている。「大石さんが書いてくる道長さんに向き合っていけばいい」。従来のイメージにとらわれず、物腰柔らかな色気あるキャラクターを演じている。平安時代の所作を体に染みつかせるため、日常生活でも階段の上り下りは左足から前に出している。「そういうことの積み重ねが、役が浮いたものにならないように導いてくれる」と語った。

 要になるシーンと語るのが、第9話「遠くの国」(3月3日放送)で描かれた散楽の一員・直秀の最期。道長は直秀が盗賊であることに薄々気づきつつも、心を通わせていた。しかし、直秀は道長の賄賂が裏目に出て殺された。道長は手で土を掘って遺体を埋葬し、泣き叫びながら懺悔した。「初めて不毛なことに直線的にぶつかっていった。偉くなっていく過程の中で民を思う部分があるのは、このことが一番の根っこにある」。直秀の命懸けでの権力への抵抗が、道長の人生に転換をもたらす。トップに上り詰めていく中での葛藤を「本当の人間性と藤原を残さないといけないことのギャップと闘い続けていく」と語った。

 政治闘争とともに物語の軸となるのが、まひろとの切ないラブストーリー。第10話「月夜の陰謀」(3月10日放送)で、道長は「一緒に都を出よう」と“駆け落ち”を迫り、あふれる思いを懸命に伝えた。まひろは道長には別の使命があると拒んだ。それでも募る思いを抑えることはできず、ついには肌を重ねた。「まひろにだったら本当に怒れるし、優しい言葉もかけられる。本音で向き合える。そんなところが良くも悪くもソウルメイトである所以(ゆえん)なのかな」。親兄弟すらも信じることができない道長が、唯一本音でぶつかれる相手だった。

 どこに惹(ひ)かれているのかを聞かれると、「言葉で表されるような惹かれ合いの強さじゃない」と答えた。「惹かれている部分と憎んでいる部分が同じイメージ」。愛憎が入り混じった得も言われぬ関係でつながっている。その上で、「言葉にするとしたら猪突猛進なまっすぐさ。嘘のなさが魅力なのかな」と明かした。

 まひろは時に、前後で矛盾したセリフを口にするが、どちらも本心で嘘はない。まひろの揺れ動く気持ちを表現している吉高に「吉高由里子という女優さんの懐の深さを毎回感じています」と、尊敬の念をにじませた。特に印象に残っているという演技が、第5話「告白」(2月4日放送)で母が道長の兄・道兼に殺されたことを告白するシーン。吉高は泣きじゃくりながら、あふれ出る怒りや後悔をあらわにした。「吉高さんに目を奪われていた。たたずんで見ることしかできなかった。強いんだけど弱くも見える」と振り返った。

 運命共同体を演じる2人だが、台本の解釈について相談し合うことはないという。「あえてしゃべったりはしていない。だけど、これだけ一緒にやっているし、言葉にせずに会話しているようなところがあるかもしれない」。まひろと道長がそうであるように、吉高と柄本の間にも確固たる信頼関係が築かれている。

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