「できるかな」のノッポさん 高見のっぽさんが昨年9月死去 88歳 「半年伏せて」と希望 誕生日に公表

[ 2023年5月11日 05:10 ]

 「できるかな」のノッポさん(右)とゴン太くん(NHK提供)
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 NHKの教育番組「できるかな」の「ノッポさん」で知られる俳優で作家の高見のっぽ(たかみ・のっぽ、本名嘉明=よしあき)さんが昨年9月10日、心不全のため東京都の病院で死去していたことが10日、分かった。88歳。京都市出身。葬儀は近親者で行った。所属事務所によると、ノッポさんが「半年は伏せてほしい」と希望したため、10日の誕生日に合わせて公表した。

 事務所関係者は取材に「持病はなく、直前までインタビューを受けたり仕事をしておりました。最後まで現役を貫き、ノッポさんらしいかっこいい最期でした」と振り返った。

 67~90年にNHK教育テレビ(現・Eテレ)の番組「なにしてあそぼう」「できるかな」に出演。名前は1メートル81の長身に由来。ひと言もしゃべらず表情やジェスチャーで感情を表現し、軽やかなステップを踏みながら、紙やはさみ、セロハンテープで工作した。

 父はチャップリンのものまねを得意としたチャーリー高見。ノッポさんもサイレント映画時代に名声を博したチャップリンの影響を受けており、NHK関係者によれば、工作の動きを強調するためにしゃべらないスタイルにしたという。トレードマークは緑色のチューリップハットで相棒はキャラクターのゴン太くん。90年3月の最終回でノッポさんが「あ~しゃべっちゃった」と初めて話した場面は伝説化した。周囲には「最後はどうしてもしゃべりたかった。こんないい声の持ち主だって知ってもらいたいっていうのもあった」とちゃめっ気たっぷりに話していた。

 マルチな才能の持ち主でもあった。作家・高見映として多数の児童書、絵本などを出版。脚本、演出、振り付けをテレビ、舞台で手掛けた。NHK「みんなのうた」の「グラスホッパー物語」(05~06年)では、おじいさんバッタに扮して71歳で歌手デビュー。09年に75歳にして「ありがとう!グラスホッパー」で舞台に初挑戦し、歌や演技、得意のタップダンスを披露した。

 高見 のっぽ(たかみ・のっぽ、本名嘉明=よしあき)1934(昭9)5月10日、京都市の太秦撮影所で生まれる。東京都立立川高校卒業後、タップダンサーを目指す。その後、NHK創成期の子供番組に多く出演。NHK放送文化賞など受賞。13年から宮沢賢治作品の一人芝居を上演。著書に「ノッポさんがしゃべった日」など。

▽できるかな 67年から始まった前身番組「なにしてあそぼう」に続き、70年にスタート。ノッポさんがさまざまなもので工作して一緒に遊ぶ番組。小学生低学年以下の児童に特に親しまれた。♪でっきるっかな でっきるかな…という歌も人気に。ゴン太くんは人形劇俳優の井村淳さん(13年死去)が最初から最後まで務めた。

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