「どうする家康」“クセ強&白塗り”反響!足利義昭ビジュアルの舞台裏「何にでも変身」古田新太の特異性

[ 2023年4月15日 13:50 ]

大河ドラマ「どうする家康」第13話。徳川家康の前に現れた足利義昭(古田新太)は二日酔いだった…(C)NHK
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 俳優の古田新太(57)がNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜後8・00)に室町幕府15代将軍・足利義昭役でレギュラー出演。白塗りのビジュアルも相まって第13話(4月2日)の初登場から強烈なインパクトを残し、SNS上で話題を呼んでいる。人物デザイン監修の柘植伊佐夫氏に、ビジュアル造形の裏側を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」シリーズなどのヒット作を生み続ける古沢良太氏がオリジナル脚本を手掛け、嵐の松本潤が主演を務める大河ドラマ62作目。弱小国・三河の主は、いかにして戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのか。江戸幕府初代将軍を単独主役にした大河は1983年「徳川家康」以来、実に40年ぶり。令和版にアップデートした新たな家康像を描く。古沢氏は大河脚本初挑戦。松本は大河初主演となる。

 第13話は「家康、都へゆく」。織田信長(岡田准一)の後ろ盾により、足利義昭(古田新太)が将軍となった。徳川家康(松本潤)は初上洛。義昭に謁見も、そのあまりに愚かな振る舞いに困惑を隠し切れない。信長の真の目的は何なのか…という展開。

 二条御所。家康の前に現れた義昭は千鳥足にゲップと二日酔い。「松平よ、よう参った。余に忠誠を尽くせ」「これより、国々と諍いが起こった時は、幕府に申し立て…勝手な戦ごと…は…断じ…禁…」と話の最中に居眠り。

 家康は徳川に改姓したと石川数正(松重豊)が進言したものの、自分のいびきで目覚めた義昭は「知らんわ!官位を金で買った田舎者が」と吐き捨て、貢ぎ物を催促した。

 酒井忠次(大森南朋)が馬を献上しようとすると、義昭は「違うだろ~、松平」「早う、そこにあるんじゃろ、懐の中に」。家康は瀬名(有村架純)や子どもたちに京土産として買って帰ると約束し、茶屋四郎次郎(中村勘九郎)が調達した南蛮菓子「コンフェイト」を泣く泣く差し出した。義昭は7粒全部を一気に頬張り、ボリボリと平らげ「結構、結構。松平、もうよいぞ。余は寝る。信長の言うことをよく聞いて、幕府に尽くせ」と立ち去った。

 2020年の大河「麒麟がくる」の足利義昭(滝藤賢一)とは打って変わり、白塗りのビジュアル。古田の怪演、暗君のキャラクター像に拍車をかけた。

 今作の人物デザイン監修は、映画「シン・ゴジラ」「翔んで埼玉」など数々の作品を手掛ける柘植氏。NHKドラマは大河「龍馬伝」「平清盛」や「岸辺露伴は動かない」などを担当した。

 柘植氏は「古田新太さんは扮装に対して『何でもいいです』という一声でした。否定的な意味ではなく、以前から何度もお仕事をご一緒させていただいていますし、彼が『どのような存在にも変身できる特異な存在』であることを私も承知していますので、『何にでもなりますよ』という自信と信頼の意思表示だろうと思いました」と述懐。

 「絹の狩衣(かりぎぬ)」(公家の普段着)に「金の太陽」「銀の三日月」を配し「陰陽」や「諸行無常」を表現。「化粧を施していますが、『義昭の美学の中では当たり前の習慣』で特別なことではない“こなれ感”を古田さんなら十分に表現していただけるだろうと思いました」。古田は「衣裳さんとヘアメイクさんは楽しそうでしたが、おいらは客観的に見えないので、いつもと変わらず。テレビを見ている人にも楽しんでいただけたら幸いです」と飄々も、期待通り、それ以上の反響。クセ強の“古田義昭”の今後に、さらなる期待が膨らむ。

 16日は第14話「金ヶ崎でどうする!」。統一地方選挙の開票速報に伴う休止(今月9日)を挟み、2週間ぶりの放送再開となる。

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