映画「マリウポリ 7日間の記録」初日「感想を多くの方に伝えてほしい。平和への糸口が見えてくる」

[ 2023年4月15日 19:53 ]

「マリウポリ 7日間の記録」初日に舞台あいさつを行ったプロデューサーのナディア・トリンチェフさん
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 ロシア軍がウクライナに侵攻して間もない2022年3月のウクライナ東部ドンバス地方の都市を記録した映画「マリウポリ 7日間の記録」が15日に初日を迎え、東京・渋谷のシアターイメージフォーラムでプロデューサーのナディア・トリンチェフさんが舞台あいさつを行った。

 砲撃の中、破壊を免れた教会の地下で助け合いながら生きる人々の姿をカメラに収めていたリトアニア出身のマンタス・クヴェダラヴィチウス監督は22年3月30日に親ロシア分離派勢力に拘束され命を奪われた。撮影済みの素材はフィアンセだった助監督のハンナ・ビロブロワが遺体と共に外に持ち出した。

 監督の遺志を継いだスタッフがレバノンや独ベルリンでおよそ1カ月で編集、音入れなどの作業を行って完成させた作品は昨年5月19日にカンヌ国際映画祭で特別上映され、ドキュメンタリー審査員特別賞を贈られた。

 この日来日したナディアさんは「作品は今でも海外の映画祭を巡っていますが、劇場公開は日本が初めてです。シアターイメージフォーラムさんにお礼を申し上げたい」とまず感謝の言葉を述べた。

 監督がマリウポリに向かったと知ったのは昨年3月18日だったという。「事前には何も聞かされておらず、(現地で)恋人のハンナさんと一緒に写った写真がその日に送られてきて知りました。私たちプロデューサー陣に“行く”と言ったら反対されるだろうと思って何も告げなかったのだろうと思います。“気をつけてね”としか言えませんでした」と振り返ったが、4月頭に監督が殺害されたという悲しいニュースが届く。「もし、巻き戻しボタンがあるなら、それを押したい。まさにそういう気持ちでした」と悔しさをにじませた。

 「皆さんが報道などで見る映像とは違うリズム、時の刻まれ方がされています。というのも、監督はそこにいる人たちを傍観しているというよりは、そこに自らたたずみ、また観客として見る私たちも、あたかもそこにいるかのような作り方をする人でした。ユーモアもあり、街が破壊されていく中でも、互いを気遣いあう人たちに目を向けました」

 作品は全国順次ロードショーの予定だが、ナディアさんは「皆さん、ぜひ、この映画を見た印象、感想を多くの方に伝えて頂いて、その経験を共有して前に進んでほしい。そこからある意味、平和への糸口が見えてくるのではないでしょうか」とあいさつを締めくくった。

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