本宮泰風 日テレで「日本統一」 大人向け作品も「究極、子供にも見てもらえるように」 

[ 2023年4月11日 08:15 ]

ドラマ「日本統一 関東編」で氷室蓮司を演じる本宮泰風
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 【牧 元一の孤人焦点】根強い人気を誇る任侠シリーズの新作「日本統一 関東編」(木曜深夜、全10話)が13日に日本テレビでスタートする。主人公の1人・氷室蓮司を演じ、シリーズの総合プロデューサーも務める俳優の本宮泰風(51)がインタビューに応じ、「ずっと見ている人にも初めて見る人にも楽しんでもらえるように作った」と明かした。

 昨年10月から北海道文化放送が「日本統一 北海道編」を放送したが、民放キー局がこのシリーズの新作を地上波で放送するのは初めてだ。

 「日テレさんからお話をいただき、プロデューサーの方が『日本統一』に強い愛情を持っているのを感じた。われわれはここまで、金で頬をたたくような相手とは仕事しないというスタンスで続けて来た。金と愛情なら、愛情を選ぶ。こちらの条件は、スタッフ、キャスト、製作会社を変えずにやるということだった。日テレさんにわがままを聞いていただいた」

 このシリーズは、氷室(本宮)、田村悠人(山口祥行)らの「侠和会」が極道界の頂点を目指すサクセスストーリー。「勧善懲悪」「弱きを助け、強きをくじく」というテーマがあるとは言え、裏社会の活動を描いているだけに、テレビで放送するにはハードルが高い部分もある。

 「レギュラーシリーズのまま作るわけにはいかないということは分かっていた。テレビで放送できる内容にしながらも『日本統一』らしさを失わないことがテーマだった。日テレさんと何度も打ち合わせし、テレビ局の中でも相当に厳しい局だと感じたが、われわれもそういう作業は嫌いじゃない。このシリーズは元々、グロさを売り物にしているわけじゃなく、こだわっているのはドラマ性なので、思ったより苦労はしなかった」

 新作は侠和会と警察の物語だ。侠和会の組員が何者かに襲われ死亡。警察は周辺で頻発する殺人事件の関連事件として捜査するが、氷室らも犯人捜しを開始。侠和会と警察が交錯しながら真相を求めていく。

 「これまで通り氷室と田村がいて、そこに警察の中堅と若手の刑事が加わり、別角度から一つの事件の解決に向かっていく。同じ方向に向かうが、組織のぶつかり合いのようなものがあり、そうした展開の中で『正義とは何か?』ということを視聴者に問いかけられればいいと思う。シリーズの中で氷室と田村は裏の人間であるにも関わらず『正義』に見えたが、今回は表の『正義』である警察を持ってきた」

 シリーズが2013年に始まり、今年で10周年。これまでに60作以上が作られ、民放キー局までたどり着いたのは、この作品の魅力のあかしだろう。

 「物語の根幹が勧善懲悪で、分かりやすい話であるのがいいのだと思う。究極、子供にも見てもらえるようにと思って作っている。作ることに追われ、この10年は走り抜けた感じがするが、最近、何げなく第1作を見直した。みんな若かった。亡くなった方もいるし、役者をやめた方もいる。レギュラー陣も結婚して子供ができたりプライベートでいろんなことがあったりした。10年は長いな、と思った」

 今回は「関東編」。既に「北海道編」が作られていることから、今後は「関西編」「九州編」などへの期待もふくらむ。

 「僕らは門戸を広げて待つだけ。来たチャンスを生かしたい。昨年、『日本統一外伝 山崎一門』の舞台あいさつで各地を回った時、遠くから足を運んでくれたファンの方々がいた。そういう姿を見ると、何かお礼をしたいと思う。近いうちに、ファンの方々と対面できるイベントを開けたらいいな、と考えている」

 ここから「日本統一」へのうねりはさらに激しさを増しそうだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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2023年4月11日のニュース